今日は、五島美術館に行ってきた。

 

 

まずは、「茶道具取合せ展」へ。

 

楽茶碗が多く展示されて堪能。

 

展示室2「正月の取合せ」に、竹内栖鳳の『獅子舞』(絹本着色 昭和時代・20世紀)の軸がかかっていた。

色紙大で、さらさらっと勢いよく描かれた感じの作品。

竹内栖鳳には、速筆で描いた商品が多く残っているとのこと。非常に精巧に描かれた動物画も魅力だが・・・山種美術館の『班猫』など、この「速筆で」の作品も魅力的。

 

私の好きな裂の見本帳、裂手鑑「名物切鑑」(渋谷玉恵コレクション)、名物裂手鑑が展示されていて、興奮。この2つは、いかにも切れ端のような、様々な形の小さな布片が大切に、大切に、工夫され貼られて作られている。デザインとして素敵。

 

久々の「美の友会月例美術講座」は、「江戸の書物でくずし字を読む 第4回 江戸の手紙①」

 

 

こんな文字を読んで・・・いや、解読していくのである。

 

これは「南総里見八犬伝」の作者である曲亭馬琴が、馬琴の先輩戯作者である山東京伝に出した手紙。

最初の

「角兵衛獅子追考

唐ノ明皇ハ酉ノ年二誕・・・・」と最初の部分は何とか読めるが10行目くらいから、字がどんどん崩れてきて、もうギブアップ。

 

ちょっと私には解読は難しいなと思ったが、「書簡資料の魅力」として次の3つがあげられた。

私のメモによると、それは・・・

・差出人の本音

・人間関係が明らかになり、伝記資料となる。

・翻刻する面白さ

 

※実は、「翻刻」という言葉を初めて聞いたような気がする。調べてみると、「写本・版本などを、原文どおりに活字に組むなどして新た出版すること」(デジタル大辞泉より)

 

なるほど・・。私は最後の「翻刻」は難しいので、最初の2点を楽しもう!

今回の講座は、講師の方が解説してくださる内容を楽しむことにした。

 

例えば・・・この馬琴の書簡は、山東京伝宛てのもので、「角兵衛獅子」という芸能の由来についての説明が書かれているようだ。

 

その山東京伝は「職人尽絵詞」とう江戸時代の職業、風俗を紹介する絵巻物の詞書きを担当。

その「職人尽絵詞」に角兵衛獅子が描かれていて、それを馬琴に質問し、その答えを馬琴が書いたのがこの書簡という。

講座では、「職人尽絵詞」に描かれた「角兵衛獅子」がスライドで紹介され、これも興味深かった。

書簡と別の資料を掛け合わせて調べていくと面白いとのこと。確かに。

 

※「職人尽絵詞」を検索してみたら、「国立国会図書館デジタルコレクション」で画像が見られる!!第1軸のコマ番号4/16に発見!このデジタルコレクションのサービスはとても良いと思う。「江戸名所図会」などは時々見ている。現代の様子と比べると大変面白い。

 

くずし字の解説では、「可被下候(くださるべくそうろう)」や「申上候(もうしあげそうろう)」などよく使われる文句は省略して書かれやすいとのこと。

私には、ウネウネと波打った曲線にしか見えない・・・これを専門家は文脈で判断して、つまり推理?で判読するそう。

 

これは、何となく分かるような気がする。手書き文字には個人の癖が出る。

外国の人が略して書いた漢字は、日本人の略し方と違うことがあり、それこそ「文脈で判断して」、見当をつけて、実際に描いてみて、おーおー、これだ!と判読している。

 

「合字」という言葉も初めて聞いたような・・・・。

例えば「ゟ」、これは「より」を示し、「よ」と「り」を組み合わせたものだそう。ほう・・。

 

「尚々書」(なおなおがき)は、現代の「追伸」のようなもの。

今回の講座で例文として出されたある書簡に、行間に他よりも一文字下げて書かれていて、字が小さくなっている文があった。この場合、紙が足りなくなって「尚々書」を前に戻って書いたものだそうだ。

紙の節約か?!まあ、当時紙は貴重品だっただろうから・・・。

 

と、まあ、教養のない私にとっては大変勉強になった講座であった。

 

 

本日で、五島美術館「美の友会」の有効期間が終わってしまった。

さて、次はどうするか。五島美術館の様々な講義は大変魅力的なのである。

上の写真は、美術館で撮影したもの。

お庭も美しく整えられ、それも魅力。