きっと誰もが、できることなら、

完璧な愛を手に入れたいと願うのでしょう。

 

すれ違うことのない会話。

傷つくことのない安心。

永遠に続く信頼。

 

欠けることなく、

何もかもが満たされた関係。

 

それが幻想に過ぎないことを、

どれだけわかっていても、

 

気づけば、

両手で追いかけてしまう瞬間がある。

 

まるで水中から、空気を探すみたいに、

求めれば求めるほど、

 

「私は苦しいの」と叫ぶように、

誰かを正そうとして、裁こうとして。

——そして、失う。

 

そのとき、ようやく気づく。

ああ、溺れていたのだと。

 

太陽みたいな愛はもう届かない

深海の底に沈みながら、

音も光もない世界で考える。

 

一体、なにに溺れたんだろう。

 

愛、あるいは、正しさ。

 

回遊魚みたいに

ぐるぐると考えを巡らせたあと、

 

愛だと信じていたものは、

正しさの仮面をかぶった

鋭い「なにか」だと気づく。

 

相手に向けたはずの、正しさという矛先が、

ふたりを、切り裂いてしまった。

 

——ほんとうに欲しかったのは、

 

ナイフより、ブランケット。

正しさより、ぬくもり。

見張る目よりも、分かち合う心だった。

 

たとえば、喧嘩のあとの

不器用な「ごめんね」とか、

言葉にならなかったけれど

ふたりで過ごした確かな時間とか。

 

そういう瞬間にこそ

「愛」が宿っていたのかもしれない。

 

もし、ほしいものが「愛」だとして。

 

わたし達が求めたものが

 

"完璧な言葉"や"理想的な反応"

 

だったとしたら、

 

きっと、心より頭を使わせてしまうから、

手に入るものは、どうしたって、

愛よりも、もっと理論っぽいもの

なんだと思う。

 

愛を求めてやまないはずなのに、

求めるものが、ときどきズレていく。

 

けれど、もし——

 

そんなズレも引っくるめて、

愛せたら、愛されたなら、

きっと喜びで、心が満たされそうな気がするから、

 

愛する人の、不完全さを、小さなズレを、

抱きしめてあげられるといいのかもしれない。

 

昔、彼がすてきな旅館に招いてくれたとき、

鍵を無くして、慌ててフロントに走るもつれた後ろ姿とか。

 

6時間の大遅刻をした彼が、

ボサボサの寝癖で息を切らして現れた姿とか。

 

ばかみたいな嘘がバレて、

あたふたと意味不明な言い訳する姿とか。

 

全然、理想じゃないし、

完璧にはほど遠い。

わたしだって、理想にはなれないし、

完璧なんかじゃない。

 

それなら、

 

罵り合うより補い合いましょう。

ときには、正すより目をつむりましょう。

指を指すより、そっと撫でましょう。

 

誰かと生きるって、

そういうことなんだと思う。

 

そういう欠けたものだらけの日々のなかに、

「愛」が、ひっそりと隠れている。

 

 

「理想は、幻想の中に。

愛は、現実に。あるいは、目の前に。」

Ideals live in illusions.

Love lives in reality—perhaps, right before your eyes.——et.

 

いつだって、

理想が愛を壊すから、

不完全な現実にある愛を見つめたい。

 

完璧な正しさを追求するより、

小さな愛をすくえたら。

 

永遠がなくても、きっと続いていく。

 

 

今日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

素敵な一日を🕊️

 

 

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占い師/心理カウンセラー

365日、言葉と心、そして人生の研究をしています。

くだらないほど小さな「愛しい瞬間と言葉たち」を配信中。

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