「成長戦略」とは何か? | 真面目に脱線話@リンガランド英語塾

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英語や芸能など、思いついたことを適当に書いていくという、そういうブログです。

本ブログでは、アベノミクスについて、「1本目の矢」と「2本目の矢」にすでに何度か論じている。その後、大変な数の解説番組や記事や書籍も出たことなどもあり、以前より理解できた人が増えたのではないだろうか。



また、「3本目の矢」は、本ブログでは法人税、人事制度などの働き方、移民など一部については論じている。



現在、成長戦略についてだいぶ情報が出そろってきたので、ここで「3本の矢」について全体像を論じてみることにしたい。



なお、「3本目の矢」と成長戦略は基本的に同じことを指している。



アベノミクスの成長戦略をひとことで言えば、「日本の経済制度を国際的にして効率的にする」とまとめられる。「それだけなら簡単だろう」と思えるかもしれないが、実はかなり困難で「茨(いばら)の道」と言っても言いすぎではない。



その一因として、日本は高度成長期からかなり経済発展して、かなりの富を蓄え、現在も経済大国として君臨しているからである。何もしなくてもそれなりに豊かに過ごせるし、もともと変化を好まない性質があって、現実に合わせて起動的に制度を変えるのが苦手だからである。



その代表例が農業制度と医療制度だろう。





農業についても株式会社は農地を所有できない。これは農業の大規模化を阻止するためである。農業法人は認められるが、株主の半分は農家でなければならないから、結局、大規模化を阻止していることに変わりはない。



その結果、生産人口はわずか230万人で、しかもその多くが兼業農家、さらに悪いことに、平均年齢が66歳となっている。日本の農業も破綻しかけている(これも本ブログで一度扱った)。



医療については、長年議論が続き現在も激論となっている混合診療のほか、現病院経営は医師でないと認めらないことや、医学部が増やせない問題などがある。



医師の数が圧倒的に足りない東北では、東日本震災のときは医者不足で医療現場は大混乱に拍車をかけた。一人当たりの医師数は先進国最低レベルで推移している。



これは医者が増えると医者が儲けられないから医者の団体が反対しているという、わかりやすい例だ。



さて、これらは共通しているのは「現在得している人はそれを手放さないがために、古い制度が温存され、国民全体は損をしているということだ。いわゆる「既得権益」というものである。



これに手をつけられないのは、既得権益を持つ側が圧力団体(選挙の集票や政治資金の提供をする組織)になって、政治家に制度を変えないように強く働きかけているからである。中には実際に議員を出している圧力団体もある。



それゆえ、この既得権益のために変えられない制度を「岩盤規制」と呼ぶわけである。岩盤のように堅くてなんともできないという比喩表現だ。



これに風穴を開けるべく安倍政権が出してきたのが「経済特区」である。特区内に関してはこういった指定制度を棚上げにして、地方自治体が自由に効率の良い制度を作っていいことにしたわけである。



これらが自由化されれば、農業については大規模化によって輸出が可能になる。現在の日本の農業は「個人事業」になっており、煩雑な手続きが必要な輸出は実質的に不可能である。



世界第2位の農産物輸出国であるオランダは九州ほどの国土しかない。もちろん、日本は山がちであるし、ドイツやイタリアのような大消費国を陸続きで抱えるオランダと同じにはできないものの、日本には海を超えれば超巨大マーケットの中国、その先には6億以上の人口を抱える東南アジアと、近い将来中国の人口を抜くインドがある。



日本の農業ブランドを確立して戦略的に輸出できれば、農業で莫大な収益を上げることは可能である。





また、医療についても同様で、良心的な日本人医師たちはさかんに途上国や新興国の医療に協力しており、たいへんな信用を得ている。日本は医療についても(医療ツーリズムや医療教育を含めて)立派に「輸出品」になる可能性がある。



こういった「岩盤規制」に「風穴を開ける」ことで、これまで制度に阻まれてきた産業が競争力を上げて、日本経済に貢献するのは間違いない。



アベノミクスにおいては、もう1つ大きな柱がある。財政再建である。



ご存じのように日本の財政赤字は1000兆円に膨れ上がっている。それでもなんとかなっているのは、日本政府に大きな財産があること、貯蓄率が高く国債がほぼ国内でまかなえること、そして、対外債権が大きくてその「上がり」だけで確実に利益が確保できるからである。



累積債務を返すことは不可能であるにしても、1年の収入と支出を同じくらいにするのは可能だ。と言うのは、日本は医療と社会保障に莫大な支出があるので、それを縮小するだけで支出がかなり減らせることがある。



1年のバランスさえとれて毎年数%のインフレになれば、実質的な債務は小さくなっていく。



もう1つはもちろん収入を増やすことだ。



この方策として、1つには税金を払っていない人たちに払わせることである。資産によって違うが、現在、日本では10兆円ほどの税金逃れがあると言われる。これはマイナンバー制(国民背番号制)と、そして歳入庁の創設(国税庁と社会保険庁を統合する)によって個人情報を統合すれば大部分が解決する。





実はもう1つある。これが今さかんに議論されているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の改革である。



GPIFは要するにファンドであるが、ここには126兆円もの潤沢な資金がある。有名なノルウェーやシンガポールの政府系ファンドをはるかに凌駕する規模である。これらの代表的政府系ファンドはおおむね良好な成績を保っており、平均でも年7-8%前後の運用実績があるそうだ。年8%と言われてもピンと来ないだろうが、複利計算すれば((1+0.08)^10年)10年で2倍以上になる。



なぜそんな高い運用実績が残せているかというと、大事な国民のお金であるので、最も優秀なディーラーを大量に雇ってフル回転させているからである(シンガポールの政府系ファンドには1000人の優秀なプロを抱えているそうだ)。



かたや、GPIFの職員は70人ていどで、しかもほとんどが「素人」で、金融や投資の専門家は数名しかいない。それは法律によってどこに投資するかが決められており、工夫のしようがないからだ。



もし、GPIFにプロを集めて年8%の運用を実現すれば、1年間で9兆円近くを稼ぎさせることになる。



また、126兆円のうち1割の12兆円を国内株に向ければ、それだけで株式が大きく上がる。というのも、アベノミクスが始まって外国人が15兆円買い越ししたことで、日本株が6割近くも上がっているからである。買いが増えれば上がるのは当然のことだ。


ほかにもいろいろあるが、長くなるのでこのあたりでまとめたい。



これらはすべて「制度をほかの先進国なみにする」ということに尽きる。だが、日本には莫大な資金とポテンシャルがあるので、実際に実現すると途方もないリターンとなる。それだけで日本経済は大きく拡大して、財政問題を解決へと向かわせることがきる。



また、だからこそ外国人投資家はアベノミクスに期待して、「日本買い」に入っているわけである。





逆に言うと、安倍政権がこれらの成長戦略に失敗すれば、失望売りが始まり、日本経済は奈落の底に落ちかねない。



つまり、アベノミクスとは日本経済にとって、経済を建て直す最大にして最後のチャンスなのである。今秋の内閣改造がポイントとなる可能性が高い。



くれぐれも既得権益側が発するウソの情報に惑わされないで、慎重に考えていただきたいと切に願う。



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