同じパリーグファンとしてその栄光を喜び、ぜひ2010年の日本一に輝くことを祈念したい。
第1ステージのことはまた述べるとして(まだ心の傷が癒えてませーん)、第2ステージで圧倒的に有利だとされていたホークスがなぜ負けたのかを、いつものように好き勝手に考えたい。
今回のホークスの負けはマリーンズの強さによってもたらされたのではない。そもそもホークスには1勝が与えられており、1週間もホテル暮らしのマリーンズナインに比べて、条件的には明らかに有利である。今回はホークスがこけたのである(ペナントレースでライオンズがこけたのと同じ意味でこけた)。
したがって、勝負の明暗のほとんどはホークスが握っていたと考えるべきだろう。
だいたい次のようなことがポイントとなると考えられたのではないかと思う。
1. 後半、好調だった松中信彦が好調を維持できるか。
2. 和田毅と杉内俊哉のどちらを先に使うか。
3. マリーンズのキーパーソンである西岡剛が抑えられるか。
4. 3番手投手(大隣憲司)が粘れるか。
中継ぎと抑えについてはホークスが圧倒するが、先発を含めた投手力から行くとほぼ5分5分である。マリーンズの先発投手として唐川真が元気であればマリーンズがやや優勢になっただろうが、今回はほぼ拮抗していたと言っていいだろう。
また、短期決戦で物を言うのは、情報収集と捕手の能力である。マリーンズは情報収集能力にもともと定評があり、頭脳派捕手である里崎智也が戻ってきたので、その点ではマリーンズが優勢である。
ただし、最近のホークスもその点ではひけをとらない。また、ホークス唯一と言っていいリードができる捕手である山崎勝己がけがから復帰していたので、事前の情報戦でもほぼ拮抗していたと言っていいだろう。
すると、どう考えても投手戦にならざるをえない。近年のデータ野球では、短期決戦では点数がなかなかとりがたい傾向にある。
短期決戦でデータがよく分析にされていれば、どんな打者であっても苦手なところを中心に配球される。その場合に、どちらが勝利できるかは、データを跳ね返すような潜在能力を持った打者がどれだけいるかがポイントになる(その点でパリーグのナンバーワンはおそらく西武ライオンズだろう)。
その点でもホークスとマリーンズは拮抗している。
次のポイントが中心選手の調子である。ホークスでは松中選手が、マリーンズでは西岡剛が活躍するかどうかである。
中心選手が打つというのは、その打者のヒットにとどまらず、まわりに与える影響が大きい。とくに中心選手の前を打つ打者は、いかに後ろにつなげるかを考えるようになるので、打線がつながりやすくなる。
その点はもちろん山崎捕手も里崎捕手もよくわかっている。どちらも西岡、松中をいかに抑えるかをもっとも意識していたはずだ。
では、どちらが対策の立てやすい打者なのだろうか。
どちらかというと、対策が立てやすいのは松中選手だというのが私の印象である。
松中選手の特徴は、球筋を読んだ場合のバットコントロールの良さである。松中選手のスイングは芸術的なほど美しく、どんな球でもライナーで外野に運ぶ技術力の高さがある。
問題なのは、これだけの打者でありながら、配球が読むのがあまりうまくないことである。わりと「型」にこだわるところがあり、ある捕手の配球の組み立て方を読み切ると、その見立てで球を読むようなところがある。だから、捕手が凡庸なリードをする場合よく打つのであるが、反対にリードを工夫されると凡打や空振りをしやすい。
それに対して、西岡選手はどんな球でもひととおり対応できる柔軟性を持っている。リードで裏をかかれても球に食らいつき、内野のあいだを抜く技術ではパリーグ屈指である。
だが、山崎捕手のリードはみごとだった。西岡は山崎のリードの翻弄され、ほとんど快音が聞かれなかった。これが、前半、ホークス有利に進んだ一因になった。
ところが、マリーンズはこれに対抗すべく「奇策」と言ってもいい手を打つ。西村監督の采配はきわめてオーソドックスであるが、これだけは奇策と言ってもいいだろう。
それは、今岡誠の5番起用である。山崎捕手のデータになかったのがおそらくこの今岡である。
短期決戦ではテータの少ない選手がポイントになることがあるが、西村監督はそれを意識的におこなったのである。これがじわじわとホークスバッテリーに効いてくることになる。
続きます。
