バイリンガル能力の測り方
いつもブログにお越しいただき、ありがとうございます。 私の専門は「言語習得」で特にバイリンガル(二言語習得)なのですが、このブログではあまり専門的なことは書かず、日々のできごとを定期的に発信してきました。 今まで数回に渡り、主に自分と自分の家族の経験と語学のレベルについて書きました。評価法について自分なりの考えを書いていきます。これまでのシリーズのタイトルを「なぜバイリンガルの総合言語力は測れないのか」は私が持ち続けている問いであり、この問いの答えを提供するものではありません。また特定の検定試験や語学教材をオススメしたり評価する意図もないのでご了承ください。
前の記事で「私も含め、バイリンガル育児をした保護者にとっては、子供の両方の言語能力がわかる方法があったらどんなに便利かと思うのですが、なかなかいい評価法が開発されません。」と書いたのですが、これは日本語と英語のバイリンガルに限らずアメリカにおいてはどの言語でも「バイリンガルの能力」を測るのに有効な評価法は確立されていないのが現状です。
ではヨーロッパの例えばスイスやルクセンブルクのような多言語話者が主流を占めるコミュニティであっても両言語でなんらかの能力を図るツール(例えば学校でのテストなど)はあるのでしょうか。ヨーロッパには各言語のレベルの指標となるCEFRがありますが、それを応用して多言語話者の総合的言語力や学力を測る有効な評価方法はまだ私が知る限り存在していません。
ある一定のコミュニティー(例えば日本国内のインターナショナルスクールなど)であるお子さんの日本語力と英語力を測ろうとした場合、どうしても母語話者用のテストか二言語・外国語話者用のテストを使用することになります。
または自己診断というか親や学校の先生がそれぞれの基準を設定して、どのくらい両言語ができるかを判断することになります。
私は日頃、講演会などで話しているのは「モノリンガルはバイリンガルの言語能力を正しく判断できない」ということです。
スペイン語と英語のバイリンガルや、日本語と韓国語(朝鮮語)のバイリンガルはもう数世代にわたって存在するので、バイリンガル話者をトレーニングにしてバイリンガルの評価者にすることはそれほどたいへんではないと思います。実際、アメリカの連邦政府が軍人の養成所で訓練する言語エキスパートはすでに何世代にも渡ってさまざまな言語のバイリンガルが存在し、もちろん日本語と英語がどちらも母語話者レベルの人がたくさん存在します。そういう人たちがトレイナー(訓練指導者)となり、次世代のバイリンガルの言語能力を測ることはできそうですが、実際にそういう評価を一般人が受けられるようになるかは、今のところ実現していません。
親が自分の子供の言語力を素人判断(といっては失礼ですが)でおこなうことに異論を唱える気はありません。ただそういう判断を見て、自分の子供と比べ、一喜一憂してしまうのはいささか問題があるのでは、と思ってしまいます。
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