その「バイリンガルプログラム」というのは、アメリカに移民して来た子供が、ある日 突然、英語で授業を受けても何を言っているのかさっぱりわからない、先生の指示がわからないから、授業妨害をする、学校に来なくなる、非行に走る、という問題があったために、まず基本的なルールや授業内容を最初の数年だけ、その生徒の母国語(主にスペイン語)でおこなって、だんだんと英語のクラスに移行して行くという教育方法でした。
前に書いたように、これらのプログラムはTransitional Bilingual Program と呼ばれ、母国語から英語に移行するのに2〜4年かかると言われていました。90年代に この方法で学校教育を受けると、生徒の英語習得が遅れるというリサーチ結果が出ました。それで移民が一番多いカリフォルニア州で、1998年に proposition 227が可決され、バイリンガルプログラムがなくなったのですが、英語母国語話者に外国語を教えるプラス型モデルのバイリンガルプログラムは生き残りました。
これが「加算型バイリンガルモデル」と呼ばれる形態で、日本語のプログラムもあります。
加算型バイリンガルモデルの1つであるイマージョンプログラムというのは主に小学校でおこなわれています。私は日本語イマージョンプログラムで日本語を学んだ生徒がどこまで日本語能力を習得できるかを長期的データを収集して調査しています。
今でも日本人の保護者の方の中には、お子さんが英語が母語でない生徒を対象にした「英語プログラム」に入れられることを嫌い、最初から英語母語話者の子供と同じクラスになんとか入れたいと考える方が多くいらっしゃいます。人の考えはそれぞれなのですが、せっかくアメリカ政府が多大な予算を使い、英語が母語でない子供にも「英語で学習するための支援」をしてくれるのに、利用せずご家庭や私塾で英語を早く習得させようとするのはもったいないなと感じることがあります。
