このシリーズは私が27年前にアメリカ ジョージア州の大学院のSpecial Educationの修士コースで学んだ知識と11年前にアメリカ カリフォルニア州で自分の子供が体験したことと 友人や知り合いから聞いた話を基に書いています。どうぞアメリカで子育てをしている一保護者の経験談と外から日本の教育を見ている者の感想としてお読みください。

 

子供の頃、マンガに「IQ200の天才」という登場人物がいて、世の中には「天才」という人がいるのだと信じていましたが、成長するにつれ、そんな人はマンガの世界だけにしかいないんだと思うようになりました。というのも私は自分のIQを知らないし自分の周りでIQの高さを自慢している人もいなかったからです。

 

アメリカに来て、けっこう多くの人が自分の血液型を知らないのに驚きました。と同時にアメリカの大学院で教育を学んでいた時に、私が自分のIQを知らないと言うと驚かれました。

 

先日、ママ友5人と話をした時、5人中私を含む4人が大学までアメリカ国外(イギリス、台湾、オーストラリア、日本)で教育を受けたと言う話になり、みんな自分のIQを知らないと言っていました。アメリカでも現在40歳以上の人(90年代にすでに学校を卒業していた人)は自分のIQを知っている人は「非常に低くて検査を受けた人か、非常に高くてギフテッドに認定された人」だけじゃないかという話になりました。

 

もしかすると私が最初に通ったジョージア州の大学院のクラスメイトはほとんど白人だったので、自分たちは特別なプログラムで勉強するために親が早くからIQテストを受けさせていたのかもしれません。

 

アメリカのIQテストは中流階級以上の白人家庭に育っている子供に有利なように問題が作られているという議論がありました。また英語以外でもテストは受けられるものの言語によっては翻訳が非常にわかりにくいものもあり、英語が母語でない子供の評価がうまくいかないという問題点も指摘されていました。

 

現在は日本でも世界標準で使用されいているIQテストの日本語版が使用されています。日本語と英語のバイリンガルの場合、同じテストを日本語で受けた場合と、英語で受けた場合に差が20以上あると、IQスコア自体に信頼性がないとみなされます。我が子がIQテストを受けた時には日本語版をアメリカで受けることはできませんでした。ただ娘は3歳半と5歳と6歳半で受けたのですが、このぐらいの年齢で受けるIQテストは言語の干渉を受けない、つまり言語(母語や学習言語)によってスコアが変わることはないとされています。

 

アメリカで発達診断をするのは学校区の特別教育センターです。たいていの場合は小児科医かプリスクールの先生などが親に診断を薦め、親が申し込みをして無料で受けられます。最近、日本から移住してくる保護者がこの診断を多用するということがいくつかの学校区で取り上げられました。特に移住者が多いハワイやカリフォルニアの大きい都市で問題になっているようです。

 

中にはIQテストは数をこなすことによってスコアが上がると信じている人もいます。

IQスコアは確かに年齢と共に変わることもあり、その日の体調などにより変わることもあります。ただしそれが誤差なのか成長(発達)によるものなのかを専門家が判定するためには短期間での複数回のテストの結果では測れません。

 

子供が発達遅延がある、発達障害がある、と言われれば、親は必死になんとかしようと思い、何度もテストを受けて少しでもスコアがあがれば「療育の効果があった」と安心できるでしょう。けれどこの親の焦りが子供の大切な発達の傾向を見落としてしまうこともあるということを知っていただきたいと思います。

 

 

 

 

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