私はなぜかいつも「大人数」のクラスを担当してきました。
人によっては「あなたは人気があるから、たくさん学生が集まるんですよ。」と褒めてくれますが、どちらかと言うと「私の担当クラスが変わる時期に、そのクラスに入る学生数が多くなる」というほうが正しい解釈です。
それはさておき、私は娘の出産時(今から14年前)からしばらく「初級日本語」のクラスを担当していました。娘が言語を覚えていく過程と大学生が日本語を習得していく過程を比較しながら見てこれたので、これはこれでよかったのですが、初級のクラスは200名近くの登録者がいて、TA(アシスタント)が4−5人いたのですが、ミーティングの日時を合わせたり、大人数の成績管理はけっこうたいへんでした。
そのため、オンラインテストによる自動採点を早くから開発したのですが、いろいろと障壁があり、精神的にも疲弊したことがありました。いわゆる「メンタルやられる」という状態ですね。
ただ今でも思うことは「テクノロジーや他人に任せられること」と「自分でやらなければいけないこと」の棲み分けをしっかりしていたおかげで、コロナ禍で人が集まって何かができなくなっても、オンライン化がスムーズにできました。
オンライン授業になって、宿題の提出やテストもオンラインになりました。先生の中には、学生のZOOMのvideoをオンにすることを強制して、テストの時は手元が見えるようにカメラの角度を変えさせたり、画面にテストを写してから、写真に撮らせてアップロードさせたりしている人もいます。またカンニング防止のアプリを入れている学校もあります。
私が敢えて それをしないのはきちんと宿題をやらずに他の人とファイルを共有したり、テストの前に勉強しないでその場で教科書などを見ながらテストを受けても実力がつかないし、いい成績が取れないようにコースをデザインしているからです。
「ズルをする人」や「不正を働く人」をどうやって防ぐかに時間と神経を使うのではなく「与えられたものをやっていたら、いい成績が取れる」課題を出すことによって「一番 楽なのは 言われたことを言われた時にすること」とわかってもらえるようにしています。私が教えている大学の学生は、皆 優秀ですから「準備しても報われないテスト」に時間を費やすことはしません。不正を働く前に「このコースは意味がない」と判断してやめていきます。テストの出題や配点がフェアであると学生が判断すればしっかり準備してきます。
というわけで、私がテストの内容や学習するべきポイントを詳細に学生に伝えるのは、ポイントを絞って学習してほしいからです。また作文やレポートの下書きを事前にチェックするのは、それをすることによって、めちゃくちゃなものを出されて採点にやたら時間がかかることが防げるからです。確かに下書きの時点ではメチャクチャなものもありますが、ほとんどの人は下書きを先生に見せる前に自分でしっかり見直しているし、先生に直してもらって完璧なものを出して100点がもらえればハッピーになります。これは前々回に書いたように、日本語補習校のやたら時間がかかる採点から学んだ私の処世術です。
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