前回、日本語補習校の授業中に子供に宿題をやらせてあげて、答えまで教えている先生って「子供に媚びていない?」と思うかもしれませんが、これは子供だけでなく私もとても楽になると書きました。
 
今回はその説明をします。
 
教師の仕事は大きく分けて「授業の準備」「授業の実施」「宿題やテストの採点」の3つに分けられると思います。
 
マウントを取るわけではありませんが、私はアメリカの(いや世界のかな?)大学の最高峰と言われるH大学と、アメリカの州立大学では常にトップを争う現在の勤務校で通算22年、教鞭を取っています。大学の授業ではアシスタント(TA)が採点を担うことが多いですが、私は自分でテストや課題の採点をするようにしていました(その理由は後日、別記事で書きます)。
 
私が最初に日本語補習校に教員として働き始めた時、「宿題やテストの採点」にあまりにも時間がかかることに愕然としました。実際、宿題は「家庭でやって答え合わせもして提出」が義務づけられていたので教員である私は、提出だけをチェックすればいいことになっていました。テストは、私は中学部の国語を担当していたので漢字テストと単元テストの採点だけでした。
 
なのに、どうしてこんなに時間がかかるのか....それはあまりにも不完全だったからです。そしてすべてが手作業でした。
 
まず宿題は授業日の空き時間に確認して、その日のうちに返却しなければいけません。その週の課題をやっていなければ手書きで「○月○日の宿題はここまでです。来週までにやっておきましょう」と書き、自分の成績管理ノートに▲印をつけておきました。丸つけをしていなければ手書きで「丸つけをしてください。」と書きます。このようにして(当時)3冊か4冊あったドリルを見て記録を取っていくのですが10数人の生徒でも1時限の40分では終わりませんでした。そして翌週、前の週のをちゃんとやっているかな、とチェックするにはさらに時間がかかり、何週間もたまっている生徒の宿題チェックは本当に時間がかかりました。
 
 
テストの採点に関しては、中学になると本当に点が取れなくなるので、漢字テストでは「設問以外の漢字の読みがなも書けば エクストラに点をあげる」という決まりがありました。大学生の漢字テストは、ほぼ全員が100点を取ります。稀にテストがあることを忘れて全然 勉強していない学生がいたりもしますが、それでもそこそこの点は取れます。それが補習校の生徒となると、ちゃんと勉強してくる子が1割程度、やってこない子は0点なら潔くていいのですが、「設問以外の漢字の読みがな」をちょこちょこっと書き入れるので、これを見て直すのと点数を数えるのがとてもたいへんでした。
 
つまりは、きちんと正解を書いている宿題を期日に提出してもらうこと、テストもそれなりに生徒が準備して 正解数が多い「いい点」を取ってもらうことは私の勤務時間の大幅な削減につながるのでした。またいい成績をもらえば子供も保護者もハッピーなのでwin-winの関係になります。
 
さて、では答えを先に覚えてテストでいい点を取るのと、テストで悪い点を取り、反省しながら学習するのではどちらのほうが学習効果があるのでしょう。これについては大規模調査のデータを使って論文を書いたのですが、それをのちほど説明します。

 

 

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