私は若い頃(というか若くもないけど大学院時代)よく
「あなたはバイリンガルなんですか。」
「お子さんはいらっしゃるんですか。」
「英語はどのくらいできるんですか(英検、TOEFLなど)。」
という質問をよくされました。私の専門が「バイリンガル教育」で日本語と英語のバイリンガルの子供たちの言語発達をリサーチしていたからなんですが、質問をしてきた人はたいてい日本人の保護者の方でした。
最初の質問「あなたはバイリンガルなんですか。」については最初はいろいろな答え方をしていたのですが、だんだん「はい。」と言わないと話が長くなるので「はい、そうです。」と言い切るようになりました。
次の質問「お子さんはいらっしゃるんですか。」は正直に「いえ、まだ独身です。」と答えていました。すると保護者の方は(私の被害妄想かもしれないけど)上から目線で「あなたもいつか子供ができたら、バイリンガル子育ての苦労がもっとわかりますよ。」とよく言われました。
最後の質問「英語はどのくらいできるんですか(英検、TOEICなど)。」は最初の質問のあと「海外在住歴」とセットで聞かれたりしました。
最近はリサーチに行く場合にも保護者の方と話す機会が少ないのと、リサーチ参加の承諾書に私の名前や連絡先を載せることになっているので、興味がある人はGoogleで調べられるので、あまり私に対して質問されることはなくなりました。
二番目の「お子さんはいらっしゃるんですか。」という質問をされると、必ずと言っていいほど「お子さんはバイリンガルですか。」とセットで聞かれるようになりました。
前にも書いたかもしれませんが、例えば難病の治療を研究している人が「その病気にかかった経験があるか」と聞かれることはほとんどないと思います。また「その病気の患者が家族にいますか。」という質問もないと思います。
ただ言語習得とか教育となると 急に「自分はどうなの。」とか「自分の子供はどうなの。」と聞かれるのはどうしてなんでしょう。
あたかも「バイリンガル子育てに成功した人」しか「バイリンガル」について語る資格はなし、というような扱いを受けると なんだかな〜と思います。
また言語教育の学会などで「就学前の言語習得」のようなトピックで発表をすると必ずのように「うちの子供が...」とか「うちの孫は...」と急に「近所のおじさん・おばさん」モードになって発言をしてくる学者の方がいます。え〜と、私はここで自分の子育ての経験を語っているのではなく、集めたデータの分析をしているんですけど...と言いたくなることがあります。最近は笑顔で「データの提供をありがとうございます。ぜひ次のリサーチにお子さん・お孫さんを参加させてください。」と言うようにしています。
ブログとかストーリーとかで、自分の子供の「子育て経験」を話すのはまったく問題ないのですが、その人が他の人の子育てや言語習得を否定するような発言は気持ちがよくないです。
バイリンガル習得を研究している人に「あなたの子供はバイリンガルじゃないから、あなたの研究結果は信用できない」とかバイリンガルプログラムで教えている先生に「あなたの子供はバイリンガルじゃないから、あなたはいい先生じゃない」と言うのはなんか違うように思います。
