バイリンガル言語習得を研究して早30年+ 発表論文も英語ではかなりの数になってきました。これからは日本語でも出していこうと思い立って2年くらいが経っています。
バイリンガル習得は日本語の分野はとても遅れています。ほんの数人の方が別の言語の研究をもとに論文を書いたり、バイリンガル研究の大御所の論文を和訳していますが、本当に日本語と英語のバイリンガル習得の研究を実際におこなっている学者は少数で、ほぼお互いに面識があります。
それはさておき、バイリンガル習得には「同時性バイリンガル」と「後続性バイリンガル」があり、7−8歳くらいまで同時性バイリンガル習得をしていても、その後も継続する人は10%以下で、同時性バイリンガル習得者がバランスの取れたバイリンガル能力を保持しているケースは5%以下と言われています。これはあらゆる言語の組み合わせでの数値なので、日本語と英語のように言語距離の離れている二言語ではさらに確率が低くなります。
ある言語がその人にとっての母語であるか、バイリンガルであれば優勢言語であるかを測る指針として「自然習得」が用いられることがよくあります。何をもって「自然習得」とするかはその人に「母語としての直感 (native intuition)]」が備わっているかが基準の対象になることがあります。
母語話者は文法を習わなくても正しい文と正しくない文を見分けられます。どうしてそれが正しいかどうかを説明できなくても文法的に間違っている文はある年齢からは生成しなくなります。
我が子のように日本語と英語を同時習得していると、どちらの言語の文も「正しいかどうか」と見極めることはできますが、なぜ正しいか・間違っているかを説明することはできません。(できることもあります)
これは日本語初級の教科書に載っているクロスワードパズルの問題ですが、私の学生が「にほんごもえ」という単語を書いてきました。
娘は「にほんごもえ あるある〜!」と大喜びでした。まあ「萌え」ってありますよね。
娘は「おや」とか「もえ」「なに」「やだ」などこちらが期待しない単語を見つけてきます。
「しゅくだい」「なまえ」「にほん」「だいがく」は見つけてもリストアップしてきません。
こういうちょっとしたゲームでも母語話者と学習者は目のつけどころが違います。
娘は英語のクロスワードパズルも得意ですが、英語の場合は日本語のような偶然の発見がないので「英語ってつまらないね〜。」と言ったりします。でもどちらの言語でもこういうことが楽しめるのはうらやましいな〜と思います。苦労したかもしれないけど、どちらの言語も自然に習得できてよかったね。
