日本人と結婚したアメリカ人のバイリンガル度を調査したことがあるのですが、「自己評価」と「他者(家族)の評価」と「実際の言語力判定」の差が非常に大きい人が多くいました。
サンプルは20代、30代、40代以上の3グループで総数は200程度だったと思います。この調査は、私はある機関からの依頼で40組くらいの日本語の方のデータを担当しました。私がリサーチ担当者ではなかったので、最終的な結果は一度、要旨をさっと読んだだけなので、正しい数字を覚えていません。
ただこの結果を見て、非常に納得したと言うか「あるある」と思ったので、ここに書いておきます。
日本人のパートナーがいるアメリカ人は、自分の日本語能力に関わらず、80%以上が日常語が英語であると回答していました。回答者の半数以上が日本に住んでいてもこの確率なので、アメリカ在住者だけに限れば、もっとこの確率はあがると思われます。
つまり、日本語母語話者と英語母語話者が結婚した場合、夫婦間、家族間の使用言語が英語になる確率は非常に高いということです。
私の日本語初級クラスの学生の中にも、両親のうちの1人が日本人だけれど大学に入ってから「外国語としての日本語」を学ぼうとすると、初級レベルに入れられる人がたくさんいます。もちろんまったく日本語を知らないという人はほとんどいないのですが、ひらがな、カタカナもほとんど読めない、語彙力も限られている人はかなりいます。
家族で「アメリカに住んでいるのだから、使用言語は英語」と決めれば、日本語はアメリカでは必要ない言語であり、話せなくても理解できなくても問題はないでしょう。
大人になってから「やっぱり親や親戚の母語がわかるようになりたい」と思ってその言語を習い始めることはとてもいいことだし、子供の頃から無理してやっていなくてもいいと私は思います。
話を元に戻して、日本人と結婚したアメリカ人のバイリンガル度に関する「自己評価」と「他者(家族)の評価」と「実際の言語力判定」についてですが...
ちょっと読みにくいかもしれませんが、10段階評価(0〜10)で示してみました。実際にはもっと細かく数値化されているのですが、概算はこんな感じです。
英語母語話者の男性は自分の日本語力を実力より高く評価していて、パートナーの女性(奥さん)の英語力を実際より低く評価しています。
それに対して英語母語話者の女性は自分の日本語力を実力より低く評価していて、パートナーの男性(ご主人)の英語力を実際と同じく(つまり正しく)評価していました。
日本語母語話者の自分の英語に対する評価は実際とほぼ変わらないのに対し、日本語母語話者の男性は自分の英語を実力より低く評価していました。
こうしてみると、英語母語話者の男性は自分の言語力に対して自信過剰が多くパートナーの英語力を過小評価している傾向が見えます。
もちろんこれはサンプル数も少なく一般化できませんが、興味深い結果でした。
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