ここ最近、日本のバイリンガル教育や海外の継承語教育の場で講演をさせていただいたり、取材を受けることが多くなりました。
今週は、ある大学の特別講義(オンライン動画で配信)の撮影があります。
そこで「アメリカに来たきっかけ」についてお話をします。
私がアメリカに移住したきっかけは大学院進学でした。
だから本来は2年だけアメリカにいて、修士(MA)を取ったら日本に帰国する予定でした。
どうしてアメリカに留学したかったかというと、日本で通訳をしていた時、いつも留学歴とか、海外居住歴を聞かれ、正直に答えるとあからさまに「それでよく通訳できますね。」などと言われたこともありました。
当時(30年前)は、英語は英語圏で生活しないと習得できないと思われていました。
日本で英語がペラペラの人は、家族に英語ネイティブがいるとか、帰国子女とかで、日本の英語教育だけでは「話せるようにならない」と考えられていました。
私は大学院在学中は、主にボストンとニューヨークにいました。20年前にロサンゼルスに引っ越して、日本語オンラインコミュニティに参加してみました。
そこで「アメリカに住んでいる日本人」にもいろいろなタイプがいて、何年も住んでいても全然英語を話せない人がたくさんいることを知りました。
それでも、アメリカに長年住んだ人が日本に帰国すると「英語が上手」だと思い込まれ、日本だけでコツコツ英語を勉強した人は、かつての私のように、引け目を感じてしまうのでしょうか。
よく帰国子女が多い学校では、帰国子女以外を「まるドメ(まるでドメスティック)」や「純ジャパ(純粋なジャパニーズ)」と呼んだりしています。逆に帰国子女は「キコッキー」と呼ばれたりして、英語マウンティングが起きたりしていると聞いたことがあります。
「駅前留学」なんて言葉もありましたが、日本国内にいても英語の習得は十分可能だし、英語圏に住んでいるからといって、日本で英語を学習した人より英語が上手になるという保証はまったくありません。
いつの日か「国産バイリンガル」(この言葉も最近聞きました)が、活躍できる日がくることを切に願っています。
ちなみに30年くらい前の通訳学校の先生は、ほとんどが同時通訳者でしたが、皆さん「国産バイリンガル」でした。ごくわずかのTVに出てくる通訳者は帰国子女だったり、見た目もかわいい女性などがいましたが、その人たちのほうが通訳の腕前がいいというわけでもなかったと思います。今はどうなんでしょうね。
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