今までにも何度か書いているのですが、私は超高齢出産のため、まだ娘が中学生ですが、同年代の友人の中にはもうお孫さんがいる人もけっこういます。
そこで最近よく相談されるのが、日本での「幼稚園選び」と「早期英語教育」
日本で小学校から英語が教科として導入され「早いうちから習った方がいい」と考える方も増えてきたようです。
私の友人は高校時代から英語が得意で外国学部に進学し、できれば留学したいとずっと考えていました。そのため、娘さんをアメリカに留学させ、娘さんはその後、外資航空会社の機内乗務員(CA)になり、パイロットの方と結婚しました。両親とも英語ができるので、お孫さんも小さい頃から英語のDVDをよく見ていたし、英語で学べる幼稚園に通わせようかと迷っているそうです。
私は相談を受けて、いろいろ話を聞いたうえで、お孫さんには「日本語で指導をしてくれる幼稚園に行って、家庭内や英語サークルなどで英語にふれる」ことをおすすめしました。
理由は2つです。
- そのお子さんにとって、幼稚園で一番学んでほしいスキルは「社会性」 人との関わりです。
- 両親が自然な英語を提供できる環境にあり、今のところ(3歳の時点)英語に楽しく触れているのでその気持ちを継続してほしいです。
友人によると、その子は、元気がよく活発で、かなりヤンチャなところがあるそうです。お母さんは専業主婦だったので下の子ができるまで、ほとんどお母さんと2人ですごしていたので、男の子だけどお母さんベッタリで下の子ができた時の赤ちゃんがえりが激しかったと言っていました。
おそらく、来年の4月から年中さん(なのかな?)の幼稚園に入ると最初のうちはお母さんと離れるのが辛くて幼稚園に行きたがらないんじゃないかと想像しました。
もしそうなった場合、家庭内の言語と異なる言語で指導を受けても「嫌なものは嫌」と言えずストレスがたまるし、せっかく好きな「英語」も嫌いになってしまうかもしれません。
この友人だけでなく、相談してくる方がよく言うのが「早いうちにやらないと、ネイティブのようにならないと聞いた」とか「小さいうちから習うと、自然に楽に英語が話せるようになるらしい」という話です。
確かに子供は「聞いたことをそのまま言う」ことが大人より得意です。そのため、驚くほどきれいな発音で英語のフレーズを言ったりします。意味がわかっていなくても長いフレーズや歌をそのまま再生することは大人になるとできにくくなりますが、小さい子供はたいていよくできます。
ただ、この「習ったフレーズをそのまま再生する」能力は、残念ながら長くは続きません。
いわゆるCreate with language (その言語をあやつって、自分で文を生成する)段階になると、子供より認知が発達した大人の方が上手にできるようになります。
これはRubioという人が2018年に発表した論文からの引用ですが、外国語学習を早くから始めても、グローバルに活躍できるプロフェッショナルレベルに到達する人は全体の15%で、さらにエキスパートになれるのは5%だけです。
実は母語であっても、このエキスパートに達するのは10%以下であると言われています。
ほとんどは「日常生活をなんとかサバイバルできるレベル」までいかずにその言語(外国語)の学習をやめてしまいます。これは日本の英語学習を例にとっても納得できるのではないでしょうか。
私は日本国内で 英語で教育を受けることを否定はしません。家庭内と学校での言語が違ってもなんとか切り抜けている子供たちをたくさん見てきたので、それも1つの選択肢だと思います。
ただアメリカ在住の日本人家族のように、家庭内言語と同じ言語で教育を受ける機会がない環境と、日本のように敢えて違う言語で教育を受けさせる場合にはかなり状況が変わってきます。日本での早期英語教育が単なる習い事でなく学校の主要言語が英語である場合、子供だけでなく親も相当な努力が必要になり、お子さんによっては貴重な言語・認知形成期に(本来なら必要ない)負荷をかけてしまうことになるということを知ってほしい、と思いました。
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