昨年の9月に、アメリカで日本語・英語のバイリンガル子育てをしている保護者を対象にワークショップをおこないました。その参加者から寄せられた質問に少しずつ答えていきます。これは、私の先行研究に基づいているものや個人の経験談や私見が混ざり合いますが「ブログ」の性質上、どうかご自分に有益だと思う部分だけ、拾って参考になさってください。

 

以前にも書きましたが、このワークショップではグループを3つに分けてそれぞれ質疑応答をしました。グループ分けをお子さんの年齢にしたのは、年齢に応じた子育ての悩みや相談があるからだと思ったからです。実際、事前にいただいた質問もお子さんの学年に相応したものが多かったのですが、「国際結婚による永住か、日本からの短期駐在か」によっても異なる課題がありました。
 
国際結婚の家庭では、親御さんの第一言語と家庭での使用言語が、お子さんの言語習得に大きく影響します。
親御さんの1人がモノリンガルの場合、家族はその人の母語に合わせて話さなくてはコミュニケーションが取れません。
そうなると選択の余地がないわけです。
 
例えば、アメリカで英語しか話せないアメリカ人と結婚した日本人が 子供を日本語とバイリンガルにしたい場合、家庭以外の場でかなりの日本語のインプットがないと両言語をバランスよく学ぶのは難しいです。
両親が日本語母語話者で 家庭内はすべて日本語でも、学校に通い始め、学校での使用言語が英語だと日本語の習得は、補習校や日本語学校に行かない限り、かなりキツイです。
 
国際結婚のご家庭で、お子さんをバイリンガルにしたいという親御さんは「どうしても家では英語になってしまう。」と悩んでいらっしゃいましたが、これは仕方のないことで、家族間での会話は英語でも、毎日少しずつ日本語のアニメを見るとか、日本語母語話者の親御さんと2人で話すときだけは日本語とか、少しでも日本語に触れる機会を持てばいいと思います。
 
きょうだいがいると子供同士の会話も英語に偏ってしまうことが多いですが、そういうご家庭こそ、メディアをうまく利用して日本のアニメや動画をみんなで見て、英語話者の親御さんは英語字幕を見るなどすればいいかもしれません。
 
今からもう40年以上前に「One Person One Language (1P1L)」という言語使用状況がバイリンガルを生むという理論がありました。母語が異なる親が、それぞれの母語で子供に話しかけ育てるとバイリンガルになるという事例ですが、これは双方の親がお互いの母語を十分に理解し、どちらの言語でのコミュニケーションを取れる状態での策略的な家庭言語教育の方法で、今はこの理論を支持するバイリンガル研究者はいないと思います。
もし両親の母語が異なるけれど、どちらもバイリンガルならば、週の半分は1つの言語、あとの半分はもう1つの言語で生活した方が自然でしょう。1人がずっと1つの言語で話して、もう1人が別の言語で返事をするという会話の進め方は不自然だし、ストレスがたまるのではないでしょうか。このことについてはまた後日、詳しく書きます。
 
 

 

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