昨年の9月に、アメリカで日本語・英語のバイリンガル子育てをしている保護者を対象にワークショップをおこないました。その参加者から寄せられた質問に少しずつ答えていきます。これは、私の先行研究に基づいているものや個人の経験談や私見が混ざり合いますが「ブログ」の性質上、どうかご自分に有益だと思う部分だけ、拾って参考になさってください。

 

ワークショップに参加された保護者の方の中に「お子さんが日本語での学習を嫌がっている」という悩みを書いている方が何名かいて、さらに具体的に「漢字学習についていけていないから、つまらなくんなってきた」と書いていた方、「ワープロが普及している今、手書きで漢字が書ける能力は必要ですか」と質問してきた方など、漢字や文字の学習に疑問を持っている方がかなりいらっしゃいました。
 
海外に住む日本人子女に漢字はどこまで必要か
 
ですが、海外に住んでいるかどうか、というより「日本語で何がしたいか。」で、その必要性が変わってきます。
 
前回にも書きましたが、人間がお互いにコミュニケーションを取るには 何かしらの「情報」が必要になります。
例えば、単に
 
何、食べたい? これ それともあれ? のようにメニューやサンプルを指して 選ばせるような場合とか、その人に関する情報(今日何した? 明日 どこへ行く? など)だけであれば、特に外部からの情報は必要ではなく会話も最低限ですみます。
 
もう少し突っ込んだ会話とか議論になると、本とかテレビなどで得た情報を使わなくてはいけなくなるので、文字が読めないと情報の入手が困難になります。
 
以前から何度か書いていますが、日本の国語教育は、学年ごとの「漢字配当」があり、各学年で習う漢字が決まっています。
 
普段 目にしない文字を6−7歳くらいから、毎年100−200も覚えていくのは本当にたいへんです。
まだ認知能力もそれほど発達していないし、他にもいろいろなことを習っているので、「全部覚えられる」ほうが不思議だと思っていいでしょう。
 
話を元にもどして「日本語で何がしたいか。」ですが、自分の年齢相応の本が読みたいと思うなら、やはり小学校6年までは学年ごとの漢字を60%くらいは読めるようにしたほうがいいと思います。
なぜ60%かというと、日本の小学生も漢字の習得率の平均は、70%以下で、学年相当の本を読むには、その時々に習った漢字の50%くらいで読めるという統計結果があるからです(これは早稲田大学の先生の最新論文を参考にしました)。
 
「漢字は書けるようになったほうがいいか」については、もちろん書けた方がいいのですが、「正しく文字を書く」ことに時間を割かない方がいいと思います。我が子は意地になって、何十回も同じ漢字を書いて覚えていた時期がありましたが、それは彼女の手や指の筋肉を成長させたと思いますが、記憶に残ったかどうかは疑問です。そういう単純作業が好きな子はいいですが、嫌がる子供に無理やり「漢字の書き練習」はさせないほうがいいと 私は思います。

 

 

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