今学期は、大学のクラスで『教える』仕事が少なく、その代わり、本(論文)の執筆と、リサーチの仕事の割合が多くなっています。

 

論文を書くとか、リサーチをするのは「仕事」という感じがあまりしないのと、自分の好きな時間にできるので、ついつい後回しにしてしまったり、予定の時間を大幅に超えてしまったりします。

 

それは さておき、1年半くらい前に「新2世」に関する記事をブログに書きました(その過去記事はこちら)。

 

今、ロサンゼルス地区の移民の言語調査のプロジェクトに参加していて、日本からの移民(移住者)のデータを取っているのですが、日本人はアメリカに永住していても 自分を「移民」のカテゴリーに位置付けていない人が多いことがわかりました。

 

またアメリカだけでなく、英語圏には多くの日本人(または外国籍であっても日本語話者)がいるのに、日本語と英語のバイリンガルの研究は他の言語に比べ、圧倒的に数が少ないです。

 

例えば、アメリカ国内で どのくらい日本語話者がいるかというデータは、信頼できる正しい数が得られないという実態があります。他の言語の場合、US National Census でかなり正確な数字が得られるのに対し、日本語話者は、アメリカ市民(Censusに参加している人)の割合が低いと言われ、例えば、ロサンゼルス近郊で日本人(日本語話者)が非常に多いサウスベイ地区では、Censusに参加していない短期滞在者が多いため、言語使用状況マップに正しく反映されていません。

 

言語使用の状況だけでなく、例えばアイデンティティ(自分を何人だと表現するか)を聞くサーベイでも、「Japanese American」と答えている人の多くは、Ethnic Identity が「日系」である人で、その人たちの多くはすでに自分たちを「日本語話者」だとは思っていません。これは何を持って その言語の話者だと自分を定義するかにも関わってきます。

 

以前に アメリカで生まれ育っている日本人子女が 自分を「日系人」「新2世」と定義するかどうかについて小規模の調査をおこないました。ロサンゼルス地区で、165名の日本人(または親が日本人の)小学生に自分のアイデンティティを選んでもらったところ

 

Japanese  日本人            143名

American  アメリカ人           22名

 

でした。これは「その他」を選んだ人は抜いています。実際、「日本人」と答えた143名のうち100名以上が二重国籍(日本人とアメリカ人)でしたが、子供たちは自分を「日本人」と思っている結果となりました。 二重国籍に関しては、親があえて質問項目に答えていない場合もあり、はっきりとした数字が出ませんでした。これは日本語学校で、任意の形式で取ったアンケートで、非常に小規模ですが、この結果からもわかるように、「自分を何人だと思うか。」という質問から 各々が自分のアイデンティティをどう受け止めているかはわかっても「アメリカ人の何パーセントが日本語を話すか」というデータにはならないし、単に「あなたは何語を話しますか。」という質問でも正確なデータが得られないのが悩みどころです。

 

このようなデータの取りにくさ、データの少なさが日本語・英語バイリンガルの研究をしづらくしているのかもしれません。

 

 

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