バイリンガル研究の論文を数多く読み、自分自身もバイリンガルの子供のデータを分析する研究を続けていると、バイリンガルを肯定的に捉えようとする気持ちが強くなるが、実際にバイリンガルの子供は、2つの言語で学んだことを相互に依存し、転移できるのかというと「できる場合とできない場合がある」としか言えません。
一般的に言って「概念的な知識」は、2つの言語で学ばなくても一つの言語で学び知識が定着すれば、その概念をもう一つの言語で表現したり説明したりするために必要なのは、単に「語彙」や「文型」のような言語的要素になります。
ここでよく言われるのが、算数のように「問題の解き方」さえわかれば、数字だけ見て解答できる科目は「バイリンガル教育」に適しているのではないか、と言うことです。
これは、単に日本語も英語も「アラビア数字」を使うので、問題の説明さえ、どちらかの言語で習って理解したら、あとはどちらの言語でも問題は解けると言うだけであって、例えば下のようなドリル問題を英語でできたからと言って、その子が「英語で算数ができる」とは言えません。
日本語補習校に通っている子供を見ていると、算数の時間になると、どんどん問題を解こうとする子がよくいます。
そう言う子は、たいてい先生の話を全然聞いていなくて、指示通りに学習を進められません。
それでもドリルのような問題は、言葉を理解していなくてもできるので、自分で解き進めようとします。
算数を2言語で勉強するべきかどうかですが、幼い頃に「数字」そのものを覚える場合には、1言語に統一した方がいいと言う研究があります。それは算数/数学の知識や能力とはまったく関係がないのですが、数字そのものは1言語で覚えるというより「数字を覚える時」には1言語に統一した方が覚えやすいという意味です。
例えば、人の電話番号とか自分のID番号とかは、英語なら英語、日本語なら日本語で覚えて方がいいのですが、時々「算数は2言語で習うと混乱する」と間違って解釈する人もいます。
以前から何度か書いているのですが、我が子が通う小学校では、Cognitive Guided Instruction (CGI)という方法で算数を教えています。この教え方は、抽象概念を自ら導き出す能力の養成になると提唱者は言っているのですが、大方の保護者は「こんなことをやっていても、標準テストでは、普通の計算問題とかをやらされるのだから、もっと問題を練習させてほしい」と苦情を言っています。
今週の宿題はこんな感じでした。それぞれの形(まるや長方形など)が数字の0〜12で、この式を見てそれぞれがどの数字に対応するかを考えるというものです。
これは閃きが勝負のような気もしますが、何らかの方法があるのかもしれません。
もう一つはこんな問題
数字の0から9だけを1回だけ使って、この式に合う数字を入れるというものです。
確かに頭は使うのですが、こういう問題ばかりをやっていて、果たして数学ができるようになるのか、またこの知識を日本語で習う数学に転移できるのか、娘は「こういう変な算数も、日本の(中一の)数学もどっちもやっておけば、何とかなるっしょ」と、どこまでもポジティブです。
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