我が子が通う小学校は、大学の教育学部付属のリサーチ校なので、様々な新しい試みや実験が日常的におこなわれています。
私自身は、自分のリサーチのために近隣の公立小学校に行くことが多いので、日々、その違いを感じているのですが、小学校3年生の時、1年だけ公立小学校に通った娘も、様々な違いを体験しました。
その一つが、現在通っている教育学部付属のリサーチ校には「教科書」や「ワークブック」がないことです。
公立の小学校でも先生が独自のプリントを作ったり、コピーだけですませているところはありますが、たいていは市販の教科書やワークブックを使っています。教科書は、たいてい学校に置いてあって何年も使い回すため、ボロボロのものもあります。
娘も3年生の時は、分厚い紙質のすご〜く悪い算数のワークブックと、ボロボロの社会の教科書を時々家に持って帰ってきました。
今年、5年生になった娘の初めての宿題は、English Grammarのワークシート(5ページくらいのコピー)でした。これはおそらく市販のワークブックからのコピーです。Noun (名詞)についての問題で、Common Noun (普通名詞)とProper Noun (固有名詞)の定義を説明し、どれがcommon nounで、どれがproper nounかを見分けるような問題がいくつかありました。
そして、固有名詞は最初の字を大文字にするので、全文を書き換えるというような内容です。
こういう宿題は、面倒なのとやたら時間がかかるので、ネイティブスピーカーの子供は嫌がることが多いです。
親も「なんでこんな宿題を出すのか。」とメールで抗議した人もいたそうです。
娘は「こんなの簡単だよね〜。3年生の時にも(公立小学校で)やったし、すぐできちゃった。」と言っていましたが、今まで家で「手書きで文字を書くこと」をまったくと言っていいほどやっていなかった子供達にとっては、ただ「書き換える」という作業も苦痛なのだと思います。
ネイティブスピーカーは、文法を系統立てて、習わなくても感覚的に正しい文法で話したり、書いたりできるようになります。
これを言語習得学では、Native Intuitionと呼びますが、Native Intuitionが十分に育ってから、文法を教える(というか確認する)のが、娘の小学校でおこなわれている言語指導法です。
この学校には、LTL(Learn Two Languages)と呼ばれるスペイン語と英語で授業を受けるプログラムもありますが、このプログラムでも最初から、フォニックスや文法など「ルール」を教えることはしていません。
真っ先に英語の文法の宿題を出した娘は「なんでこんなことをしなくちゃいけないの。」とブーたれるクラスメイトにこう言ったそうです。
You should know which ones are propper nouns because you do not have to learn them in other languages. For example, Los Angeles is ロサンゼルス in Japanese but city is 町 in Japanese. You have to learn how to say common nouns in different languages.That is why it is important to distinguish the two.
どれが固有名詞かを知っておいた方がいいのは、固有名詞は他の言葉でなんて言うかを覚えなくていいからなのよ。例えば、ロサンゼルスは日本語でもロサンゼルスだけど、city は日本語で町(machi)って言うの。普通名詞は他の言語でなんて言うかを習わなくちゃいけないから、どっちがどっちかを分けられた方がいいんだよ。
私はこんな風に名詞の種類を分けることの大切さに気づいたことはありませんでしたが、バイリンガルの子は知らず知らずのうちにこうやって「何を学ぶべきか」を選択しているのですね。
ところで、明日は娘のbook reportの日です。クラスのみんなの前で、自分が好きな本の紹介をします。
私は、娘が「この本が好きな理由は、リス(squirrel)が主人公で、私の母は、squirrelの発音ができなくて、私が上手に言うと何度も褒めてくれたからです。」と言うつもりだと聞いて、涙が出そうになりました。
子供は、親に褒められること、認められることが大好きなんですね。
娘がレポートする本です。簡単に読めて、ちょっとワクワクするお話です。
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