おとといから、バイリンガルの子供の反抗期について、書いていますが、「反抗期」に男女差があるのか、あるとしたら統計的にどちらの方が多いのか、激しいのか、などが気になります。

私の所属している大学の発達心理学の教授に、別件で連絡をとった際に「反抗期の男女差に関するいいリサーチの論文ある?」と聞いたら「もしかして、XX(うちの娘)も反抗期?」と聞かれたので、「まだだけど、予習しておこうと思って。」と言ったら、

た〜くさんの資料を送ってくれました。

それを見て「あ〜、やっぱり、反抗期って万国共通、多くの人が通る道なのだ」と実感しました。

これから、少しずつ文献を見ていこうと思いますが、今日は、前回に引き続き、私がアメリカで会った 日本語と英語のバイリンガルの子の反抗期の様子について書きます。

 

日本人のお母さんとアメリカ人のお父さんを持つ 中学生の女の子に3年ほど、日本語(国語)を教えたことがありました。中学3年生の彼女は、日本語を話すのが嫌いで、日本語で国語を習うことの意義を全然感じていませんでした。

日本に最後に行ったのは小学校5年生の時だと言っていて、特に日本語や日本文化が好きなわけでもなく、お母さんの希望で、日本語の補習校に行っていたけど、スポーツや課外活動が忙しくなってやめた と言っていました。

 

彼女はお母さんが英語が苦手なこと、自分の学校のことや生活一般のことでお母さんがわからないことが多くイライラすると言った母親への不満をよく私に話していました

 

そして自分の欲求不満のはけ口をお母さんに向けて、お母さんとはほとんど口をきかないし、軽蔑したような態度をとっていました。

 

お母さんは、とても優しい人で、子供に日本語力を維持してほしいし、勉強も教えてあげたいけど、子供は日本語を自分から習おうとしないので、他の人(私)に教えてほしいと思っていました。私は言語環境のデータを取るために、その子と週1回1年間会うことになっていたので、それとは別に日本語を教えましょう、という話になりました。

 

1対1で会うと、その子は、とても穏やかないい子でした。ただ日本語で何かを話そうとすると、最小限の「うん」「そうだね」と言った受け応えしかできません。英語になると、まるで何かがふっきれたようにとめどもなく話すタイプでした。

お母さんが挨拶に来たり、少しだけでも私と話そうとすると、ひどい態度をとっていました。

 

ある日、見かねた私は「◯◯ちゃん、その態度は何? それが親や自分の大切な人にとる態度? 私は◯◯ちゃんに失望した。すごくダサい。ていうか、人として許せない。そんな人だと思わなかった。」と強い口調で言いました。

彼女は、私が言ったことがわかったと思いますが、ダメ押しで同じことを英語でも言いました。

 

それを聞いた彼女は、顔が真っ赤になり、言い返したいけど、どうしていいのかわからないという表情をしていました。その時、彼女のお母さんが

「◯◯は、本当はとても優しい子なんです。小さい時から、私が英語ができないと助けてくれて、今はあまり話してくれないけど、いつも他の人にやさしくて、勉強もすごくがんばっているんです。先生、◯◯にそんなこと言わないでください。」

と泣きながら、言いました。

 

私はハッとして、なんてひどいことを言ってしまったんだろう、と思いました。私が言葉を失い、呆然としていると、その子が一言「I am sorry, mom」と言いました。

英語のsorryは、相手に謝る言葉としてではなく、その人に対する同情として使われることがあります。

例えば、私に不幸が起きたり、私が悲しんでいると、それを知った友人が「Oh I am sorry」と言います。

彼女の I am sorryが、自分の態度を謝っているのか、お母さんの涙を見てかわいそうだと思ったのかはわかりませんでした。

 

ただこの時の経験を通して、子供が親に対してどんな態度を取ったにしても、親の前で子供を責めるのは良くないということを実感しました。もちろん親が自分から「私にそんな態度を取るな。」と言えない状況もあるかと思いますが、もし自分の子供以外の子の反抗期の態度を見たら、その子と1対1で話すべきで、親や他の子の前で、その子の態度を叱責することは決してしないようにしようと思いました。

 

反抗期の子供が、反抗的な態度を取ったら、真っ向から立ち向かうより、第3者に反抗している相手の気持ちを伝えてもらうのは、一つの手段かもしれません。「あなたがそういう態度を取ると、相手(親や先生)も傷つくんだよ。」ということを教えてあげるのも、大人への第一歩だと思います。もちろんわかっているけど、そういう態度を取ってしまう思春期の子供には、何かのきっかけで、その行動への自己評価を口に出せる機会を与えてあげるといいようです...というのが、今日読んだ論文からの引用でした。

 

 

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