<この町のエピソード2> の続き
実習に行っていたときに、つきあう寸前までいった同期の女の子がいた。その子とは新人教育で同じクラスになり知り合った。面食いの自分が初見でときめいた相手で、同期男子からも人気が高かったから知り合いになれただけで幸運と思っていた。
そんな彼女が自分に好意があると気付いたのはもう実習が終わりに近づいた頃。彼女とはそうなるだけの物語があった。ボールを渡された(アプローチされた)のは自分の方で、次は自分がアクションを起こさなければならない番だった。でも実習最終日まで毎日彼女を探したが会えないまま時間切れ。自分がここに実習で来ていることを彼女は知らなかったから、彼女の前から突然姿を消す形になった。
通勤電車で「大丈夫?」と声をかけてくれた同期の子は(すごい偶然だけど)彼女の友達だった。だから相談して彼女に会う手筈を整えてもらおうかとも考えた。でもそうしたらあっという間に噂が広まるリスクがあった。
結局相談はせず二度と彼女と会うことはなかった。そのときの最優先課題は今の職場から脱出することだったから、恋愛まで考える余裕がなかったというのが本当のところだった。
当時は仕方がないと思っていたが、今は優先順位を間違えたと思っている。若かったからまた彼女のような子に出会うかもしれないと期待したが、彼女ほどの子は2度と現れなかった。
そしてシャア・アズナブルのこの言葉が胸に突き刺さるのである。

