
山田洋次監督作品「小さいおうち」
中島京子さん原作の小説が元になっています。
昭和初期の日本が舞台なので銘仙や昭和レトロがお好きな方には堪らない
と、思っていたら館内みごとにシルバー一色で…
樟脳のかほりの中で観覧して参りました(^_^;)
さて。
映画の内容の前に、まずは着物でしょう!(笑)
時代が時代なので登場人物はほぼお着物をお召しです。
が、年齢的に高い層が多いし、唯一20代の黒木華さんも女中さん役なので地味目だったり素朴なお着物が多い印象でしたが
冬は暖かそうな紬、夏は涼しそうなおそらく木綿の着物など普段着としては充分に楽しめる映画でした。
私の印象に残ったのは黒木華さん演じる女中のタキが着ていたV字襟の割烹着と
見合いの夜に泣いていた時の襦袢、
松たか子さん演じる時子の夏の寝間着。白地に藍の型染めが素敵だった~♪
もちろん様々な銘仙や、映画のキーになる時子の独鈷柄の単衣帯も素敵だったのだけれど
特に珍しいものではなく(日常着なので当たり前ですが)
普通に着物のある戦前の生活が描かれていました。
~以下ネタバレ~
タキの部屋の絵は伏線として最初にちらりと出てきます。
あの絵はやはり板倉が描きタキに贈ったと考えるのが自然なのでしょうが
それが「いつ」タキの手に渡ったのか?
パッと見は色褪せていない印象でしたのでやはり戦後?
それとも出征前に渡されずっとしまい込んでいたのかしら。
手紙は意図して渡さなかったのか、
または渡せない状況になったのか…
出征前の板倉は会いに来たタキを見てどう思ったのだろう。
タキのノートに書かれたことと
劇中の真実は別と見るのが自然な解釈なのだろうけど…
あぁ妄想が止まらない(笑)
しかし板倉ってずるいオトコだわ。
イケメンでもないのに女にもてる男って心を掴むのが上手いってことで、それはそれでたちが悪い。
これが若くて顔が良い男なら年増の上司の妻にわざわざ手を出さなくても
若い女子と恋愛しまくりになるから、この話は成り立たなくなるわけで…
しかし戦地に赴く前に雨の中で「忘れないよ」なんて抱きしめられたら誰でも落ちると思う。
ただでさえ純朴なタキならイチコロだったろうに。
そして時子に対するタキの真っ直ぐな気持ち。
伏線と秘密の多い映画でなかなかに妄想力を焚き付けられ楽しめました。