図書館が再開したら、どれから借りようかと待ち焦がれて順番を考えるのはささやかな楽しみ。

「小学生のうちにぜひ井上ひさしさんに触れてほしい」(『小学生のための読解力をつける魔法の本棚』) 

この一文が忘れられず、次に読ませてあげたい作品です。

麻布の中島先生のおすすめブックリストには、
『四千万歩の男』(伊能忠敬についての小説)がありましたが、この作品は全5巻ととても長いので、麻布の入試で使われたことがある「あくる朝の蝉」が所収されているこちらの自伝的小説のほうが井上ひさしさんの原点に触れるにはよいのではと思います。

『四十一番の少年』


内容紹介

児童養護施設に入所した中学生の利雄を待っていたのは、同部屋の昌吉のするどい目だったーーつらい境遇から這い上がろうと焦る昌吉が恐ろしい事件をまねく表題作ほか、養護施設で暮らす少年の切ない夢と残酷な現実が胸にせまる珠玉の三編を収める。
日本人を愛しつづけた文学者がみずからの実体験に材をとった、自伝的名作。文字の大きな新装版 
〈井上ひさしというのは稀代の物語作家であることを忘れてはいけない。これは稀有の「物語作者」がどのように誕生したか……その恐るべき辛酸の過程をつぶさに描いた「物語」なのである。……三篇の奥底に隠された秘密を解き明かす共通のキーワードは「嘘」だ。>(長部日出雄「解説」より)

内容

児童養護施設に入所した中学生の利雄を待っていたのは、同部屋の昌吉の鋭い目だった―辛い境遇から這い上がろうと焦る昌吉が恐ろしい事件を招く表題作ほか、養護施設で暮らす少年の切ない夢と残酷な現実が胸に迫る珠玉の三編。著者の実体験に材をとった、名作の凄みを湛える自伝的小説。

著者略歴

井上/ひさし 
昭和9年(1934)、山形県生まれ。上智大学外国語学部フランス語科卒。浅草フランス座文芸部兼進行係などを経て、戯曲「日本人のへそ」、NHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」などを手がける。47年「手鎖心中」で直木賞受賞、54年「しみじみ日本・乃木大将」「小林一茶」で紀伊國屋演劇賞、翌年読売文学賞戯曲賞を受賞。56年「吉里吉里人」で日本SF大賞、平成11年、菊池寛賞受賞。16年、文化功労者。22年4月9日逝去(享年75)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)