新幹線のなかで、小3SAPIXオープンを受けたときにもらった「教科別入試問題分析 2018年度中学入試」という冊子を読んでいたら、今年の渋幕の歴史分野の出題に驚きました…。

 

 
— 引用はじまり—
 
 
下線部 i に関して、この参勤交代について江戸幕府は3代将軍のときに出した武家諸法度中で次のように定めています。
 
※もとの史料を現代文に改め、内容も分かりやすく直しています。
 
大名が国元(領国)と江戸とを交代するよう定めるものである。毎年夏の4月中に江戸に参勤すべきである。従者の人数が最近たいへん多い。領国の支配のうえでの無駄であり、領民の負担である。今後、分相応に従者の人数を減らすべきである。…
 
 
江戸幕府が参勤交代の制度を設けた目的の一つとして、「移動や宿泊などの出費により大名の財政を圧迫すること」があげられますが、上記の引用文を読むとどうやら違うようです。どうして間違いだと言えるのか、解答欄に従い、引用文に基づいて60字以内で説明しなさい。
 
 
— 引用終わり —
 
 
・・・。
 
うわーー…なんだこれ…。
マジで中学入試問題なの??
 
この感覚は、東大入試の日本史論述対策をみっちりやった人にしか分からない感覚かもしれません…。
ものすごーく「東大入試日本史」の香りがします。
強烈なまでに。
 
提示されている史料こそ、分かりやすく現代語に直されていますが、題意に透けてみえる出題者の意図は、
「これがほぼそのまま東大入試本番に出てもおかしくない」くらい挑戦的で、受験生に思いきりゆさぶりをかけてくる。
 
歴史を暗記科目としてしか捉えられないような底の浅い勉強しかできない人は断固おことわり。
 
定説や自分が習ったこと、もっている知識にとらわれず、与えられた資料・史料、情報に対して、思い込みを排してとことん素直に向き合い、そこから読み取れる内容を論理的かつ歴史的意味・意義を考えながら端的に述べる。
 
模範解答を見ていないので、
あまり断定的には言えませんが、
きっと「与えられた文章を解釈してうわなぞりした
説明を施す」だけでは満点はもらえないはずで、
参勤交代という、江戸時代初期に徳川家の支配体制
を盤石たらしめたこの「制度」(体制の安定化装置)
が導入された原理と目的、為政者/支配体制側の狙い、
当時の時代背景
(←ぜんぶ教科書の範囲におさまり、奇特な知識は不要) 
までも斟酌して「なぜそういえるのか?」
を組み立てた解答が期待されている
のではないでしょうか。
 
すなわち、
 
徳川将軍家が中枢を占める幕藩体制の強化・安定化
 
という最基底をなす大目的をふまえたうえで、初見の資料・情報から読み取れる内容とその時代に特有な制度の目的・特徴を結びつけて論述せよ、というのが出題者の意図ではないかと思われます。
 
いずれにせよ間違いなく言えることは、
渋谷幕張の作問者(社会科)は、
東大日本史の出題意図や傾向を熟知しているということ。
 
ほんとに、身震いするほど「東大的」な作問で驚いてしまいます。
 
入試問題は、その学校が「どんな思考や知的ふるまいを
身につけた学生を採りたいか」を雄弁に語りかけてくるように思えます。
 
この学校からの東大合格者が増え続けるのは必然的でしょう。
 
「たかが中学入試問題だろう」 
と高を括ることなく、Kizaxももう一度
真摯にテキストに向き合います。
 
↓が私のテキストです。
自分の東大入試対策時には、時間がなくて(高3の
夏休みに入っても近現代史が終わらなかった)、
納得いくまで味わい、噛みしめることができなかった
因縁のバイブルです。
 
歴史好きなパパ/ママさんは、「こっそり、でも子どもよりはるかに深く学びなおす」ためのテキストとしてどうぞ!