子どもの命を守りたいと思うママへ もしもの時に備える主婦目線の防災備蓄術

子どもの命を守りたいと思うママへ もしもの時に備える主婦目線の防災備蓄術

フツーに言われている防災の知識がどうもピンとこない。一番は「レトルトや缶詰、インスタント食」など苦手。あんな「毒食」を食べ慣れるローリングストックなんてしたくない。そんなことを考えている母の防災備蓄術。

フィリピン・セブ島に滞在しながら、
改めて日本の防災について考えています。
 



「災害では女性の死亡者が多い」=「女性の方が被害を受けやすい」
というのは本当か?

 


■その理解、本当に正しいのか

阪神・淡路大震災や東日本大震災では、
女性の死亡者数が男性より多いというデータがあります。

ただ、その事実だけを切り取って、
「女性は災害に弱い」
「女性の方が被害を受けやすい」
と結論づけてしまうのは、あまりにも短絡的だと感じます。

なぜなら、日本という国の前提があります。



■日本は「女性の方が長寿」

日本では、女性の方が平均寿命が長く、
高齢者人口に占める女性の割合はもともと高い状態です。

つまり、
「亡くなった人の中に女性が多い」背景には、
そもそも高齢女性が多いという構造がある
ということです。

ここを抜いてしまうと、
数字の見え方は簡単に誤解を生みます。


■災害の被害は、単一要因では決まらない

さらに、災害時の被害はとても複雑です。

・年齢
・その時どこにいたか(自宅か外出先か)
・避難のタイミング
・地域の地形や環境
・建物の状況
・情報が届いたかどうか

こうした要素が重なり合って、結果が生まれます。

つまり、
被害は「性別」だけで説明できるものではありません。


■男女で切り分けることの違和感

もちろん、これまでの防災の中で、
女性の声が十分に反映されてこなかった側面があるのは事実です。

その改善は必要ですし、
多様な視点を取り入れること自体はとても重要です。

ただ、
「女性だから」「男性だから」といった分け方だけで
防災を語ることには限界があります。

本当に見るべきなのは、
その人がどんな状況に置かれているのかです。


■本来見るべきは「生活の現実」

例えば、

・高齢者なのか
・子どもがいるのか
・介護をしているのか
・障がいがあるのか
・一人暮らしなのか
・情報を受け取れる環境にあるのか

こうした「生活の現実」によって、
必要な支援も、リスクも、大きく変わります。

防災で大切なのは、
性別ではなく、その人の置かれている状況です。


■情報の出し方は、命に直結する

防災は、命に関わる分野です。

だからこそ、
伝え方には慎重さが求められます。

分かりやすくするために単純化することが、
結果として誤解を生むのであれば、
それはかえって危険です。


■セブ島で感じたこと

今、私がいるフィリピン・セブ島では、
インフラや環境が日本とは大きく異なります。

その中で強く感じるのは、
「前提が違えば、防災も変わる」ということです。

だからこそ、日本の防災を考えるときも、
一つの見方に固定するのではなく、
構造や背景を含めて考える必要があると感じています。


■最後に

防災は、命の話です。

だからこそ、
わかりやすさのために本質を削るのではなく、
現実に即した形で伝えていくことが大切だと思います。

「女性の方が被害を受けやすい」という言い方だけでは、
本当に必要な視点を見失ってしまう可能性があります。

今あるデータの背景を丁寧に見て、
一人ひとりの状況に目を向けること。

それが、これからの防災に必要な姿勢ではないでしょうか。


防災アドバイザー
岡部梨恵子
(フィリピン・セブ島にて)