コロナ禍で
小学校での
絵本の読み聞かせが教室ではできなくなってしまって




給食の時間に、校内放送でお話を読ませてもらっているのですが
お話だけではなく
ぜひ、絵も一緒に楽しんでもらいたいと思っているのが
この「おっきょちゃんとかっぱ」です





お話は
小さな女の子、おっきょちゃんが
カッパの男の子、ガータロと水の中のカッパのお祭りに遊びにいくところから始まります






カッパのおまつりを楽しむおっきょちゃん


とても幻想的できれいなシーンです








水の中でおっきょちゃんは
水の外の世界のことを忘れ
ガータロのうちの子どもになって楽しく暮らします


ガータロのとうちゃん、かあちゃんも
おっきょちゃんのことをわが子とおなじように可愛がってくれます




けれどもある日
川に流れてきた自分の人形を見て
おっきょちゃんは外の世界のことを思い出し


お母さんに会いたいと泣くのでした





いちどカッパの子になってしまったおっきょちゃんを水の外の世界に帰すために
ガータロと、ガータロのかあちゃんは、ちえのすいこさまにおまじないを教えてもらいに行きます









このお話は
小さな子どもたちにとっては
お話をそのまま素直に楽しめるものです



お話の練習をしているとき
娘がそばで聞いていました



「おっきょちゃんはまつりのもちをもらってたべた
ひとくちたべたら、おとうさんのことをわすれ
ふたくちたべたら、おかあさんのことをわすれ
みくちたべたら
みずのそとのことを
ぜんぶ、ぜんぶわすれてしまった」




というところまできたときに



「なんだか悲しくなるね」
とつぶやくように言うのを聞いて



わたしはまだ
もう少しこの子の母として
必要とされているのかな?



と、思ったのでした








おっきょちゃんを水の外に帰すために
大きなスイカを食べて
その中におっきょちゃんを入れるのですが




「ねえ、
ガータロは切ないね
スイカはおいしいけど、食べ終わっちゃったらおっきょちゃんとお別れしなくちゃいけないんだもん

ガータロはどんな気持ちでスイカを食べたのかなぁ…」

というので



この子にはまだ
そんなふうに思える柔らかいこころが残ってるんだな、と思いました




ガータロとのお別れ

おまじないの言葉は
「たからをこめてかえさんしょ」


おっきょちゃんが入ったすいかを
やさしくなでて
水の底に消えいったガータロに
胸がきゅっとなります








家に戻ってきたおっきょちゃんは、縁側にぼんやり立っていました



あんなに楽しかった水の中の生活も
きょうだいみたいに遊んだガータロのことも
可愛いがってくれたガータロのとうちゃん、かあちゃんのことも



おっきょちゃんはぜんぶ
忘れてしまっていたのでした



水の中のことを覚えていると
おっきょちゃんは寂しくなっちゃうから
ガータロに会いたくなるから


すいこさまは忘れさせてくれたのかな




そして、絵本の中ではその後のガータロのことは書かれていないのですが




ガータロの方は
おっきょちゃんのことをずっと忘れないんじゃないかな、と思いました





忘れる、ということは
悲しいことでもあり
また
優しいことでもあると思います

忘れてしまわないと次に進めないことって
きっとあると思うから





お話にはなかったけれど
絵本の裏表紙に描かれたガータロが元気そうなので


子どもたちはほっとすると思います(*^^*)




水彩の絵が優しく、美しく
大好きな1冊です













おっきょちゃんとかっぱ / 福音館書店
文  長谷川摂子
絵  降谷奈々



長谷川・降谷コンビの絵本には
「めっきらもっきらどぉんどん」という
秋のおはなしもあります

こちらも子どもの可愛らしさと
お母さんとの絆を感じられる優しい絵本です(*^^*)