このごろネットする時間があまりとれなかったりしましたが、それはこういうコトを書いていたからです。

 怖い話。


  これはブログ(http://hama-sush-jp.pro/joyblog/)にて怖い話を募集したところブロガーゆきおさん(yukio6827さん)がコメント欄に書き込んでくれた話である。



ゆきおさんは、あるとき氷穴を見たくなり、一人ふらりと青木ヶ原樹海旅行に行くことにした。樹海と言えば有名な自殺の名所であるが、実は氷穴や風穴のような観光スポットめぐりのために遊歩道が整備されており、わざと原生林の奥深くへ踏み込まなければそれほど危険なことはない。

 ゆきおさんは、西湖から氷穴に向かうルートをとった。

 湖畔の道は緑が多くて美しく、昼間は案外明るい印象を受けた。だが、木々をよく見れば枝からはタオルや赤ちゃんのガラガラがぶらさがっており、異様なムードを醸し出していた。やはりそこは多くの人々の命を飲み込んできた樹海なのだった。

 そんな樹海ならではの遺留品を眺めていると、老夫婦が大儀そうに杖をつきながら、とぼとぼとこちらへやって来るのに気づいた。彼らも観光かなと思いつつ、ゆきおさんがすれ違おうとすると、
「西湖にはどう行ったらよいのでしょうか?」
と、老夫婦の夫の方が話しかけてきた。妻の方は口を開かずにこちらを見ている。ゆきおさんは今まさに西湖から来たところだったので、この道をまっすぐ行けばいいと答えた。夫はゆきおさんに礼を言った。
「ありがとうございます」

 歩き出して五秒ほどして、ふと後ろを振り返った。
 何の気なしに振り返っただけだったのだが、ゆきおさんは後悔した。

 今さっき話しかけてきた夫の声音も礼を言ったしわくちゃの笑顔も、夫とのやりとりをじっと見つめていた妻の瞳も思い出せるのに、そこには老夫婦の姿はなかった。遊歩道にはゆきおさん一人しかいなかったのだ。彼らがとっさに林に隠れたのかと思ってあたりを見渡したが、老夫婦の姿はどこにもなかった。ただ風だけが吹いていた。

 杖をついた大儀そうな老夫婦が、何のためにゆきおさんからとっさに隠れたりするだろうか。すると彼らは……といやなことを考え付きそうになったので、ゆきおさんは考えるのをやめた。

 
 今回この話を書くにあたって、状況を詳しくうかがおうと思ったのだが、ゆきおさんはブログを削除なさってしまい、確認することはできなかった。



 こちらの記事 http://hama-sush-jp.pro/joyblog/entry-10624834398.html にも以前書いたように、ゆきおさんとは現在連絡がとれないため、不明な部分は私の想像で補ってあります。jijituto異なる点がありましたらご一報くださるとうれしいです >ゆきおさん

 こういう話が詰まったコミック&文章の怖い本を、近日発行(本屋さんに流通している本ではなく、いわゆる同人誌です…といっても執筆者は私ひとりですが…)する予定です。発行できた暁には、またこちらのブログでも紹介しますね。