婦人科にドイツ女性が患者さんとしていらした。
彼女を仮にDさんと呼ぶ。
Dさんは穏やかな方で、手術当日私は一学生として
見学をゆるしていただき、オペ室に入室した。
学生ゆえ手術野には関与しないのだが
頭に手術専用の布帽子をつけ髪をたくしこみ、
鼻と口をすっぽり覆うマスクをつけ、
下着の上にグリーンのユカタみたいな手術着を着る決まり。
手術する医師は、上記の格好にプラスして
指先からひじまでを丹念に消毒し、
さらにカラダの前面を覆う術衣をナースに着せてもらい、
滅菌ゴム手袋を装着している。
医師は術衣を重ね着していることと、
集中と緊張とで汗が流れること、
そして患者さんのからだのためにも術中は低温のほうが
望ましかったりして、
オペ室は
かなり強烈な冷房がかかっている。
ところが、私たち医学生というものは
下着…
ぶっちゃけ、
女子はブラ&パンティだ!
男子はトランクスかブリーフいっちょうだ!!
そんな下着の上に、
コットンの手術着一枚はおった
だけであるので、たいへんに寒い。
ガタガタプルプルである。
冷え性にはきついオペ室
なのだった。
ドイツ人女性Dさんに全身麻酔がかけられる。
手術台に横たわったDさんの姿を見て、
執刀医の先生 が、私にだけショックなことをおっしゃった。
(つづく)