私のバイト先まで、車で送ってくれるTくん。

そして、ゆく途中にはくだんの

「男女共同参画センター」

があった。


バイトの時間まで、1時間くらいの余裕がある。


彼があれだけ思いやってくれたのだから、
私が勇気を出して相談にいくべきではないのか。

「女性センター」だからこそ
彼の相談が退けられたのであって、

女性で当事者であるところの私がいけば相談は出来るはず。



相談室が混んでいて今日は相談出来なくとも、
予約はとれるはずだ…


だから、私はTくんに言った。



「ちょっと時間あるし、『×ざ×あ』(*)に相談してくるよ。」

(*)男女共同参画センターの名前




「がんばって」


彼は手をぎゅっとにぎってくれた。


勇気をもらった気がして、私は緊張しつつも門をくぐった。



答を見つけるのは、自分。

一緒に父の問題を考えてもらい、ヒントになることを
得られれば。

そんな気持ちだった。



昼前だったこともあり、一階の案内・受付には誰も
いなかったので、以前一度相談した経験を思い出し、
相談室のある階へ上がる。

歩いていくと、廊下の先に、壁のようなパーティションもなく
いきなり職員の方々がデスクを並べて仕事をなさっている
フロアに出た。



本来なら受付案内で用件を話すべきだったか?


でも、カラだったのでここまで上がって来てしまったし、
職員の方に相談室の予約がとれるかどうか、
きいてみなければ。

「すみません!」

私は、手近なデスクにいた若い女性職員に声をかけた。

私はまだ、希望を持っていた。


この先、衝撃に襲われることもその時はまだ知らずに。