学生の時、初めて実習でまわったのは耳鼻科だった。
そして、初見学の手術は

『副咽頭間隙腫瘍』


咽頭ならわかるけど、『副咽頭』って…どこ
と思っても無理は無い。当時5年生の私も、見学が
決まってから急いで文献を探したものである。

ちょっとマイナーな疾患だったんだよね。
うんと勤勉な学生なら知っているかもしれない。
正式な定義は教科書が手元に無い今書くことはできない
のだが、おおまかに口を開いた時見える喉の奥の方
とでも思っていただきたい。
(いい加減で申し訳ないが、家を出る時医学書は置いてきたので)



ope見学は、ちゃんと手洗いをしてゴム手袋をはめ、
術衣を着て入りった。ところが…5×3cmの腫瘍を
取り出すのに、主治医は指でぐりぐり抉り出したのである


初めての手術見学ゆえ、指ぐりぐりにはビックリ
まあ術者もプロだから正しいやり方なのであろうが、
学生で限りなくシロウトに近い私の目には、
手探りで力任せに腫瘍を抉るやり方が、
非常に野蛮なものに見えたのであった。


そして患部の縫合の時、主治医の口から信じられない一言が…


「このスキマ、閉じちゃうのおしいねえ。
こんだけ開いてれば、麻薬の密輸に使えるのにネエ」


と言ったのである。
私と、助手と看護師の3人がこれを聞いた。
全身麻酔の患者さんが哀れであった。

「先生だって、我々を和ませようと言ったの
かもしれないし、目くじらたてるものじゃないわ」


「いくら冗談でもイヤ!私だったら、こんな人の
手術受けたくない!」


と心がゆれたものである…。




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