レッド。
ヘヴライの伝承では、地球上最初の人間は“赤い土”で作られたというが、
なるほど、赤は人間を表すのにもっとも適した色だと、私も思う。
そんでいて、「女性」を表す色というのも、
やはり“赤”だと、思う。
女性は赤を身にまとう時、もっとも女になる。
「可愛い」やら「愛され」やらの、今で言うちょっとフワついた
柔らかい・甘い・聞き触りの良い「女性」ではなく
本質的に、性としての、本能としての、「女」。
赤を前にすると、やはり敵う色なんてないんじゃないんか、って思うほど
とっても艶のある魅力的な色だ。
私は、「赤」と言えば、思い出す光景がある。
1999年ヴェネツィア・ビエンナーレ
学生最後の思い出にと、確か友人と一年がかりでお金を貯めた記憶がある

イタリアではナンパに気をつけろと言われて勇んだが、
・・・誰にも声かけられなかった記憶もある。
その時のアメリカ館。
アメリカ代表の作家は、アン・ハミルトンだった。
囲まれた白い壁の天井から、断続的に赤い砂が流れ落ちてくるという
インスタレーション作品“myein”
閉鎖的な白い空間に、シューシューという音をたてながら、流れて落ちる赤い砂。
そこに積もってく「赤」「赤」「赤」。
切なく
美しく
幻想的でいて、優しく。
心のどこかが、えぐられるように攻撃的で、
特別、繊細な。
私は今まで見た作品の中で、これほど好きなものはない。のよ。
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アン・ハミルトン:
1956年アメリカ合衆国のオハイオに生まれ、カンザス大学でテキスタイル・デザイン、イェール大学で彫刻を学ぶ。1999年には、現代美術の国際展であるベネチア・ビエンナーレのアメリカ代表に選ばれ、アメリカ文化の物質的、人種的不平等を喚起した作品myeinを発表し、高い評価を得る。
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表現家 明日香


