今年もよろしくお願いいたします。

 

今回は、私のニッチな趣味、古レールの刻印探しです。

古レールの刻印(ロールマークと言います)を、

気にして見るようになったのは、まだ2年も経っていないぐらいで、

今まで見かけたら、ちょいちょいブログで取り上げていましたが

ちょっと説明させていただこうかと。

 

 

そもそも、古レールとは。

鉄道の歴史のはじまりからのお話を少し。

 

世界で初めて鉄道が開通したのは、1825年(文政8年)、

産業革命が興っていたイギリスのストックトン・ダーリントン間に

蒸気鉄道が走ったことに始まります。

その後、アメリカ、フランス、ベルギー、ドイツと次々に鉄道を開業していきました。

 

一方、日本ではまだ鎖国政策下。開国、明治維新を待たねばなりませんでした。

1872年(明治5年)10月14日、新橋・横浜間に初めて鉄道が開通しました。

この日が鉄道の日となっています。

その後、大阪・神戸間が1874年(明治7年)、

京都・大阪間は1877年(明治10年)、

京都・大津間は1880年(明治13年)に開通しました。

当初、鉄道の車両、機械類、レールなど、木材を除いて

ほとんど外国製でイギリス製でした。

というのも、鉄道開設はイギリス主導で行われたからです。

 

最初に輸入されたレールはイギリスのダーリントン社製のものでした。

明治19年ごろからはアメリカ、フランス、ドイツ、ベルギーなどのレールも

使用されるようになりました。

明治になって、急速に西洋の文化や技術を取り入れましたが、

殖産興業、富国強兵をスローガンにオールジャパンで鉄道も運営すべく、

1901年(明治34年)に官営八幡製鉄所が操業を開始します。

しかし、しばらくはレールの質・量ともに外国製には及ばず、

昭和5年ぐらいまでは輸入を続けます。

 

その後、工業化や大量輸送の必要性から車両の大型化が進み、

レールの断面も大きくなっていきました。

この結果、不要となった外国製レールが大量に出回ることになります。

これら古レールがホーム上屋や境界柵、架線柱、跨線橋などに再利用され、

現在も見ることができるのです。

 

さて、レールには製造者、製造年、発注者、レールの重量などの情報が

刻印されているのです。

私はそれを探すのが好きなんです。照れ

 

摂津富田駅には鉄道草創期のダーリントン社製のレールがあるということで

探しに来たのでした。

草創期に使用していたダーリントン社製のレールは双頭レールと言われるもので、

こんなの↓

(南海電車まつり2023展示より)

擦り減ったら、上下ひっくり返して使えるよ、というものでしたが、

実際は下部も擦り減ってしまって、上下返して使用することは

ありませんでした。

 

この双頭レールは使用された期間は短く、その後は平底レールになります。

(同上)

この例は古くて、いい例ではありませんが、

要するに、底が平で「エ」の字のようになります。

 

摂津富田駅のホーム上屋に使用されている古レールは確かに双頭レールでした。

写真は90度回転。

2本くっつけて、上屋の支柱に使用しています。

何か書いてあるのはわかりますでしょうか。

古レールは塗装がボロボロになっていたり、刻印がぼけて

判読できないものも多いのです。

これも読めませんね悲しい

摂津富田駅で発見されている刻印は

『日本における鉄道用レールの変遷』によると、

+DARLINGTON IRON Co 70. IGJR もしくは、

+DARLINGTON IRON Co 73. IRJ になります。

そう見えるような、やっぱりわからんような、ですね滝汗

真ん中あたり、IGJRかな?

この刻印はダーリントン社 錬鉄製(IRON)1870(1873)年製のレールで

発注者はIGJR(Imperial  Goverment of Japan Railway)、

IRJ(Imperial  Railway of Japan)で、

どちらも官設鉄道、旧国鉄ということを表しています。

 

鉄道草創期の貴重なレールです。

 

摂津富田駅で発見されているのは、ダーリントン社製双頭レールだけかと

思っていたのですが、これを見つけました。↓

肉眼ではわかりません。

1本1本レールを見て、何か文字が書いてある!と思うと写真に撮って

帰ってから拡大して確認します。

 

 

どうでしょう。青い字を入れましたが、わかりますか。

 

上と同じレール。

 

これも『日本における鉄道用レールの変遷』によると、おそらく、

CAMMELL SHEFFIELD TOUGHENED STEEL C 1878 SEC  104 IRJ

だと思われます。

キャンメル社のシェフィールド工場で造られた強化鉄(鋼鉄はSTEEL!)1878年製で、

発注者はIRJ、旧国鉄です。

 

ダーリントン社製の1873年製のほうは、1874年開業の大阪・神戸間に

キャンメル社製のほうは、1880年開業の京都・大津間で使用されたレールのようです。

 

摂津富田駅の上屋では、ダーリントン社錬鉄製双頭レールに混じって、

キャンメル社鋼製双頭レールが使用されているということを発見しました。

 

摂津富田駅には古い跨線橋が残っています。

残念ながら、立ち入り禁止になっていますが。

 

 

 

 

 

跨線橋にも古レールが使われているかな。

 

 

長々と書きましたが、まあこんな調子で楽しんでいます。

今後もロールマークについて書きたいと思います照れ