映画『赤い風船』レビュー|あらすじ・感想・35分の短編が70年愛され続ける理由 | ほくとの気ままなブログ

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一本の赤い風船が、あなたの心を優しく空へ運んでくれる。

 

映画「赤い風船」

 

 

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35分の短編が70年経った今も愛され続ける理由。

 もし一本の風船に心があるとしたら、あなたは信じますか?

CGもない1956年。

それにもかかわらず、この一本の赤い風船は、まるで本当に命が宿っているかのように動き回ります。

わずか35分という上映時間の中に、不思議さ、温かさ、そして希望がぎゅっと詰まった作品でした。

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■作品情報

1956年/製作国:フランス/上映時間:35分

原題:Le Ballon Rouge

 

<監督>
アルベール・ラモリス

<キャスト>

・パスカル・ラモリス(パスカル少年)

・サビーヌ・ラモリス(青い風船の少女)

 

🏆受賞歴

🏆 第29回アカデミー賞 オリジナル脚本賞

🏆 第9回カンヌ国際映画祭 短編映画部門 パルム・ドール

 

■内容

ある朝、少年パスカルは登校途中、街灯に引っ掛かった一本の赤い風船を見つけます。

 

 

風船を助けてあげたその日から、赤い風船はまるで意思を持っているかのように少年の後をついて歩き、どこへ行くにも寄り添うようになります。

 

 

学校へ向かう道や街角でも、風船はまるで大切な友達のように少年のそばを離れません。

最初は少し戸惑いながらも、パスカルは次第に風船との不思議な時間を楽しむようになり、二人(?)の間には言葉を交わさなくても伝わる温かな友情が育まれていきます。

 

 

しかし、そんな仲の良い二人の姿は街の人々や子どもたちの注目を集め、中にはその様子を面白く思わない子どもたちも現れます。そして、赤い風船と少年の運命は思いもよらない方向へと動き始めるのでした。

 

わずか35分とは思えないほど、不思議さと温かさ、そして優しい余韻に満ちた物語です。

 

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■鑑賞のきっかけ

この作品は昨年末から今年にかけて横浜・ジャック&ベティで上映されていたのですが、残念ながら見逃してしまいました。

ちょうどU-NEXTのポイントが6月末で失効するものが少し残っていたので、

「ポイント作品でも探してみるか。」

そんな軽い気持ちで探していたところ、この作品を発見。

正直、

「35分だし、気軽に観てみるか。」

そのくらいの気持ちで再生ボタンを押しました。

ところが、まさかこんなにも心に残る作品になるとは思ってもいませんでした。

 

■まるで生きているような赤い風船

最初は、

「少年が風船と遊ぶだけの短編かな?」

そんな印象でした。

 

 

ところが見始めると、どんどん不思議な世界へ引き込まれていきます。

何より驚いたのは、CGなど存在しない時代にもかかわらず、風船が本当に意思を持っているかのように動くこと。

観ながら、

「これ、どうやって撮影したんだろう?」

そんなことばかり考えていました。

 

調べてみると、細いワイヤーなどを使った特殊撮影だったとされています。

それでも、その存在をほとんど感じさせない演出には驚かされました。

 

■街の人々の反応も面白い

街を歩いていると、人々は皆この赤い風船に目を奪われます。

 

 

  • バスに乗ろうとすると、風船のせいで乗車を断られる。
  • 通りすがりのご婦人は、風船を邪魔そうに払いのける。
  • 子どもたちは興味津々で追いかけてくる。

The Red Balloon (1956) | MUBI

 

どの場面も演出されていることを忘れてしまうほど自然で、当時のパリの日常をそのまま映し出したような空気が漂っています。

 

■家族で作られた作品だった

途中で登場する青い風船を持った少女。

 

実は演じているのは、監督アルベール・ラモリスの娘さん。

そして主人公パスカル少年は、監督の実の息子です。

 

 

(赤い風船が青い風船に寄り添う姿には、まるで淡い恋心を見るような可愛らしさもありました。)

 

映画を観ている時はまったく知りませんでしたが、調べてみて初めて知りました。

親子でこの名作を作り上げたと思うと、なんとも微笑ましい気持ちになります(笑)。

 

さらに驚いたのは、監督アルベール・ラモリスが48歳という若さで亡くなっていたこと。

そう思うと、この作品は親子で一緒に作った、かけがえのない思い出になったのではないでしょうか。

 

 

子どもたちにとっても、お父さんと一緒に映画を作ったこの時間は、きっと大切な思い出として心に残っているのではないか……そんなことを想像してしまいました。

 

そんなことを考えると、この作品がより温かく、そして少し切なく感じられました。

 

 

■ラストシーンが意味するもの

物語の終盤、赤い風船は子どもたちによって割られてしまいます。

観ている側も、

「このあと、どうなってしまうのだろう」

と胸が締め付けられるような気持ちになります。

 

しかし、その先に待っているものは、ぜひ本編で確かめてほしいと思います。

 

観終わった瞬間は、

「えっ、これで終わり?」

という驚きとともに、このラストが何を意味しているのか考えさせられました。

 

パリの街並50年 失ったもの・残ったもの | 渋谷文化プロジェクト

 

改めて振り返ってみると、

夢や友情、

そして希望は、

たとえ失われたように見えても、心の中に残り続けるものなのかもしれません。

 

そんなメッセージが込められているようにも感じました。

これはあくまで私自身の受け止め方です。
もしかすると、違う解釈もあるかもしれません。

 

だからこそ、このラストシーンには「これが正解」という答えはありません。
見る人それぞれが自由に受け止められる――そんな余韻を残してくれる結末でした。

 

 

■ほくと的まとめ

一本の赤い風船と少年の交流を描いただけの、わずか35分の短編映画。

正直、観る前は

「気軽に楽しめる作品かな」

と思っていました。

 

 

しかし観終わったあとに残ったのは、不思議な温かさと静かな余韻でした。

 

少年パスカルと赤い風船が過ごす、何気ない日々の出来事。

そこには派手な展開や心を揺さぶるセリフがあるわけではありません。
ただ、一人の少年と一本の風船が寄り添う時間が、まるで宝物のように描かれています。

 

だからこそ、この小さな物語が70年近く世界中で愛され続けている理由が、観終わったあとには少し分かったような気がしました。

 

今回もU-NEXTポイントのおかげで(笑)、素晴らしい名作と出会うことができました。

 

評価:5点満点中 4.0

(画像すべてお借りしました)