藤尾秀昭氏の心に響く言葉より…
読書を通して古の聖賢を師とする――読書尚友(しょうゆう)の意である。
吉田松陰が叔父玉木文之進の子彦介の大成を願って与えた「士規七則(しきしちそく)」の中にこの言葉は出てくる。
こう記されている。
「人古今(ひとここん)に通ぜず、聖賢を師とせずんば、則ち鄙夫(ひふ)のみ。読書尚友は君子の事なり」
人が歴史に通ぜず古の聖賢を師としなければ、つまらない人間になってしまう、読書を通じて古の聖賢を師とするのが君子のなすべきことだ、という教えである。
「尚友」の原典は『孟子』(萬章(ばんしょう)章句下)である。
弘法大師にもこういう言葉がある。
「人の相知ること、必ずしも対面して久しく語るのみにしもあらず」
必ずしも直接会って語らなくとも、書物を通して師と友を知ることはできる、ということだろう。
話は転じる。
二〇一九年、弊社(致知出版社)では『致知』別冊として 『母』を発行した。
サブタイトルは「子育てのための人間学」。
予約の段階で五千五百冊余のご注文をいただいた。
日本にはいまも子育てに真剣に取り組んでいる若いお母さんがたくさんいることを知った。
一方、悲しい事件もあとを絶たない。
先日、西舘好子(にしだてよしこ)さんが発行されている『ららばい通信』に一人の少年が綴った「僕の声を聞いて」という文章が掲載されていた。
紹介する。
「おかあさん ぶってもけってもかまわないから 僕を嫌いにならないで。
おかあさん おねがいだから僕の目をちゃんと見て。
おかあさん おまえを生まなければよかったなんていわないで 僕は今ちゃんと生きているんだから。
おかあさん 優しくなくてもいいから、僕に触って。
おかあさん 赤ちゃんの時抱いてくれたように抱いて。
おかあさん 僕の話にうなずいてくれないかなあ。
つらい、悲しい、もうダメ、お母さんの言葉ってそれしかないの。
赤い爪魔女みたい、ゴム手袋のお台所、お部屋のあちこちにある化粧品、僕の家のお母さんのにおい、僕の入れない世界で満ちている。
おかあさん お母さんの匂いが欲しい、優しい懐かしいにおいが。
おかあさん お願いだから手をつなごう、僕より先に歩いて行かないで。
おかあさん お願いだから一緒に歌おう、カラオケ屋じゃないよお家でだよ。
おかあさん 500円玉おいてくれるより、おにぎり一個のほうがうれしいのに。
おかあさん 笑わなくなったね、僕一日何度おかあさんが笑うかノートにつけているの」
少年の悲痛な声は母に届いただろうか。
詩人の坂村真民さんのお母さんは五人の子供を女手ひとつで育てる生活の中で、辛い苦しいと言う代わりに、「念ずれば花ひらく」という言葉を真言のように唱えて五人の子を立派に育て上げた。
子を産み育てることは何にもまさる大事業である。
それだけに現代のお母さんにも読書を通じてよき師よき友と出逢い、よき教えよき言葉に学び、自らのかけがえのない使命を全うしてほしいと切願する。
『小さな修養論5』致知出版社
斎藤一人さんのこんな言葉があります。
『人生って楽しいことばかりじゃないけれど、苦しいことやつらいことをのりこえてほっとした時、いつも心に浮かぶのはこの一言です。
「母さん私を生んでくれてありがとう。」』
小林正観さんは、天才たちの後ろには常に『あなたはあなたのままでいいよ』『今のままでいいよ』と言い続けてくれた母親がいた、といいます。
それは、トーマス・エジソン 、手塚治虫 、チャップリン 、福沢諭吉 、ライト兄弟 、野口英世 、ハンス・クリスチャン・アンデルセン 、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト 、吉田松陰 、の母親たちです。
読書を通じて、よき師よき友と出逢い、よき教えよき言葉に学び、自らのかけがえのない使命を全うできる人でありたい、と切に願うばかりです。
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