僕の名前は吉田陽翔(よしだ はると)です。
人によっては、静かに文章を書く父親、料理好きの男として知っているかもしれません。
でも、あまり語らないもう一人の自分がいます。
映画ではなく、現実の戦場を歩いてきた男です。

僕は今、イスラエルに住んでいます。
朝日より先にサイレンの音を聞く生活。
地面が突然揺れる感覚。
朝食前に感じるアドレナリンの苦味。
平和が与えられるものではなく、
一瞬一瞬、命がけで勝ち取るものだと知りました。

数ヶ月前に退職願を提出しました。
身体はもう限界に近いけれど、心はまだ誰かのために立ち続けています。
この制服を脱ぐ日が来ると信じていました。
誰かが言ってくれると信じていたのです。
「よく頑張った、陽翔。もう休んでいいよ」と。

でも、その承認はまだ届きません。
だから、僕はまだここにいます。
望んでいるわけではありません。
ただ、大切な人たちがいて、
守るべきものがあるから。
「ありがとう」と言われなくても、
守ることは、やはり尊いことだと信じているからです。

夜になると、ノートにペンを走らせます。
娘のこと、また作りたい料理のこと、
バラのことを書きます。
バラは、痛みと美しさが同じ茎から生まれることを教えてくれるから。

世界はうるさい。けれど、心は静寂を求めている。
空っぽの静けさではなく、本当の「平和」の静けさ。
味噌汁の香りが漂う台所。
裸足で庭を走る子ども。
台所のラジオから流れる音楽と、外の夕暮れの空。

僕は吉田陽翔。
勲章がなくても、強さを証明できる。
ただ一度、
静かな空の朝を迎えたい。
兵士ではなく、
一人の男として。

最後まで読んでくださってありがとうございます。
もしあなたも、自分なりの「平和」を待っているなら、
僕はあなたの存在を感じています。
私たちは多い。
私たちは疲れている。
でも、まだここにいます。

— 吉田陽翔
2025年7月
砂埃の中で、それでも希望を持って。