その日の夕方

チェ家の奥の間は

タンとスニョンの帰省で

明るい笑い声が響いていた

 

 

お前の修行が

まだまだ足りないって

ことだろ?

 

 

不服そうな次男のサンを

長兄のタンが

ニコニコとなだめている

 

 

わかっているさ

今すぐにイサ先生のように

いくわけないってことぐらい

だけどさ

俺だって頑張ってるんだよ

なのに

今日は俺が診るって言ったら

あのハルモニ

明らかにがっかりした顔

するんだぜ

おまけに ものすご〜く

不安そうだしさぁ

 

 

近所に住むハルモニは

長年イサの患者で

今日も湿布薬や痛み止めを

処方してもらいに

診療所を訪れたのだが

今日の担当医がサンだと聞いて

落胆した様子を見せた
サンはそれが悔しかったのだ

 

タンとスニョンは

サンの話を聞いて

顔を見合わせ吹き出して

それから同情する顔で

スニョンはサンの頭を撫でた

 

 

おい スニョン

俺のこと

子供扱いするなよ!

 

 

あら〜

だってサンは

昔っから変わらず

サンなんだもの 

当然 医者としても

まだまだ未熟に決まっているわ

でも ここからでしょう?

サンもそのうちハルモニに

サンに診てもらいたいって

言わせるくらいの

気概を持たなくっちゃあね

とにかく修行あるのみ!

 

 

ふくれっ面のサンは

スニョンの言葉に

少しだけ奮起した顔をした

 

 

そうだよね?

イサだって修行時代は

あったんだ

最初から名医って

言われていたわけじゃない

 

 

そうよ そうよ

それにオンマはきっと

サンがそばにいてくれて

嬉しいと思うわよ

私もにぃにも王宮にいて

いつもそばにいるわけには

いかないでしょう

だからサンがいてくれて

心強いのよ

ゴンにとっても

いい兄貴のようだしね

 

 

そうかなぁ〜

 

 

単純なサンはニマッと

笑って胸を張った

 

 

そういう

切り替えの早いところ

サンの長所だと思うぞ

 

 

タンはククっと笑って

答えた

笑い顔が若い頃のチェヨンに

よく似ている

 

 

にぃに

そろそろユニョンたち

着く頃かしら?

 

 

そうだな

朝のうちに港について

いるはずだけど

それにしても 

よくイサを迎えに出したよな?

アッパも何を考えているんだか

大事なユニョンを他の奴に

任せるなんて

 

 

妹贔屓の兄はムゥとした口調で

ブツブツブツ

 

 

まあ アッパにも

何か考えがあってのこと

でしょう

それにゴンのことを

オンマが気にしていたから

早く屋敷に連れ帰るように

イサに頼んだのよ

放っておいたら

ジホやシウルとともに

のんびり旅を続けそうだもの

ところでオンマたちは?

 

 

スニョンはお茶を運んで来た

女中頭のオクリョンに聞いた

オクリョンはヘジャの後を継ぎ

まだ若いが

しっかり者の女中頭として

チェ家の女中たちを束ねている

 

 

旦那様と奥様は

母と一緒に膳の支度を

しております・・・

まったく困ったものでございます

高貴な身分のお二人が

自らなさらなくても

そのようなことは我々に

お任せくだされば良いものを・・・

焼き魚は旦那様

ケランマリは奥様 と

張り切っておりまして・・・

 

 

あああ 

オンマたちらしいね

ユニョンとゴンのために

何かしたいんだよ

オクリョン 

変わり者の両親で苦労を

かけるけど

よろしく頼むよ

 

 

苦労など

滅相もございません

誠心誠意お仕えさせて

いただきたいと思っております

このオクリョンにお任せを!

 

 

オクリョンは

井戸水で冷やした

キンキンのホッケ茶を

タンの前に

そっと差し出し微笑んだ

 

 

参鶏湯の匂いもするけど?

今夜はご馳走だね

 

 

はい ユニョンお嬢様と

ゴン坊っちゃまの

お好きなものを

母が腕によりをかけて

用意しておりますので

どうぞたくさん召し上がって

くださいませ

 

 

うん 楽しみだな

王宮暮らしにも慣れたけど

未だにヘジャのご飯が

恋しいよ

それにオンマの・・・

 

 

ケランマリ!

でしょう?にぃに?

私もそうよ

子供の頃から食いしん坊の

母親に育てられたから

私たちって贅沢な舌に

なっているわよね

 

 

そうかもしれないな

サンが羨ましいよ

毎日 うまい飯を食えて

 

 

だったらにぃにも

ここに戻って来たら?

一緒に診療所をやろうよ

にぃにはなんでもできるのに

どうして一番危険な

武士の道を選んだのさ

 

 

タンはサンの問いかけには

答えず 笑った

長男として考えに考えての

決断だった

 

 

あら?オンマの声がする

おお いよいよ

姫たちのご帰還ね

 

 

とっぷり日が暮れた頃

スニョンは表に耳を集中した

馬の蹄の音や

母親の歓喜の声

父親が母親に小言を言う声が

聞こえてくる

 

 

イムジャ

急に駆けだしたら

危ないではないか

転ぶぞ

ユニョンもゴンも逃げはせぬ

 

 

久しぶりの我が子なんだもの

これが走らずに

入られましょうか?

 

 

ウンスは夫に言い返す

ところが案の定

つるんと廊下で滑って

チェヨンの腕の中に収まった

 

 

だから言ったではないか

危ないぞ・・・と

これだから

イムジャはいくつになっても

目が離せなくて困る

 

 

あら〜ぁ

私のお守りが大変ってことを

承知の上で結婚したくせに!

 

 

二人の会話を盗み聞いた

スニョンは景気よく笑った

 

 

あはは

アッパとオンマったら

またくだらないことで

やりあっているわ

さあ 私たちもお出迎えに

行きましょうか

 

 

ようやく揃う家族の顔

タンもサンもスニョンも

チェヨンもウンスも

みんな 満面の笑みで

旅を終えたスニョンとゴンが

輿から降りてくるのを

今か今かと待ちわびている

 

 

*******

 

 

『今日よりも明日もっと』

夏の思い出

嬉しいこと 楽しいこと

たくさんできるといいな

 

 

黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花黄色い花

 

 

image

 

久しぶりに参鶏湯が

食べたいなぁと思うharuです

参鶏湯で免疫力をアップして

酷暑に負けないように!

 

みなさま 安寧に

お過ごしくださいね

またおつきあいくださいませ

 

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