オクリョン夫婦は屋敷を出て
生家の片隅に居候していた
兄弟姉妹の多い
オクリョンの生家は
足の踏み場がないほど
家族も家具も密集しているが
その中でオクリョンは
生まれて日が浅い娘と
布団を敷いて
寝たり起きたりの毎日だった
悪阻もひどく
妊娠中の体調は悪く
おまけに産後の肥立ちも悪い
気持ちも萎えるばかりだ
しかも
生家の部屋は狭く湿気が多い
布団は硬くてペラペラで
板の上に寝ているのと変らず
体も休まらない
昔はこの暮らしが当たり前だと
思って成長したわけだが
チェ家での暮らしを知ると
いかに良い待遇で
恵まれていたのかと思った
それでもあそこには
もういられない
夫のウォンスンイは
文句も言わず
オクリョンについて来た
そしてオクリョンに
肩身の狭い思いを
させないように
少しでも生家にお金を渡そうと
昼間は働きに出ている
それが
一層オクリョンの気鬱に
拍車をかける
いい人すぎて・・・
胸が苦しい
憂鬱そうなオクリョンに
実母は何度も声をかけていた
オクリョンや
そろそろへジャのところへ
戻ってはどうだい?
若先生も
わざわざ見舞いに来てくださって
あんたお屋敷で大事にされて
いるんだねぇ
イサ様は以前から
お優しいお方なの
ごめんね 母さん
心配かけて
それに迷惑もかけて
いや ウォンも稼ぎを
入れてくれるし
ウォンの奉公先でも何かと
気遣っていただいて
うちは助かっているから
遠慮はしなくていいんだけど
ただ・・・この子のためにも
お屋敷に戻った方が・・・
いい暮らしができるだろうと
思ってね
へジャも心配しているだろうし
実母は赤ん坊を見つめて
呟くように言った
赤ん坊にはまだ名前がなく
ウンスに名付けてもらおうと
思っていたところの家出騒動
オクリョンはどうしたものかと
考えあぐねていた
ううん あたし
具合が悪いばっかりで
お屋敷のお役に立てないし・・・
それにへジャさんの望むような
娘にはなれないし・・・
オンマって言ってたのに
今や へジャさん・・・か
なんだか むか〜し昔
同じようなことを
へジャも言っていたような
気がするけどね?
へジャとソンオク母さんも
諍いが多かったからねぇ
そうなの?
でもハルモニとへジャさんは
本当の親子だもん
あたしとへジャさんは違う
もう無理なの
オクリョンはペラペラの
布団をかぶって
実母との会話をさえぎった
チェ家の屋敷の使用人部屋では
ユウとリアンとルリとクリムが
休憩をとって
おしゃべりをしていた
お茶のお供はへジャ特製饅頭
今日はクルミ入りの甘い餡が
入っている
美味しい美味しいと食べながら
話題は自然とオクリョンのこと
女中たちは女中たちなりに
仲間のオクリョンの身を
案じていた
こんなにいい待遇で
しかも新婚の時にあれこれ
新居や家具まで
あつらえてもらって
何が気に入らないのか
あたしにはわかんないわ
贅沢な暮らしなのに
お屋敷の衣替え作業で
お下がりにもらった
ウンスの朱色のチマチョゴリを
うっとり眺めながら
ユウは言い放った
でもぉ
だからぁ よほどのことがぁ
あったんだと思うんでっすぅ
どうしたんでしょうねぇ
リアンは首をかしげた
女中たちも実際のところ
へジャとオクリョンに
何があったのか知らなかった
出産して赤ん坊の泣き声が
庭に響いていた数日後
その泣き声がぱったり
聞こえなくなり
気がついたらオクリョン夫婦は
いなくなっていたのだ
なんならあたし
あの房に住んでもいいなぁ
我が家よりずっと綺麗だもん
でもオクリョン
そのうち戻るんじゃない?
きっとへジャさんと
親子ゲンカしたんだよ
産後は気鬱になるっていうし
へジャさん厳しいから
ルリは真顔で言う
そうかもね?
オクリョンは
実家に戻ってるでしょう?
本当のオンマの方が
気楽なのかなぁ?
クリムもうなずいた
三つ子はお昼寝中で
へジャが添い寝をしている
女中たちは
仕事の合間の
束の間の息抜き
だが他の屋敷の女中には
休憩時間なぞ考えられないことで
これだけでもいかに
この屋敷の女中たちが
ウンスやへジャに
大事にされているかが
よくわかる
なんにしても罰当たりよ
大恩ある奥様にも
黙っていなくなるなんて・・・
ウンス贔屓へジャ贔屓の
ユウは厳しい顔で言った
早く戻ってきたらいいのに
時間がたてばたつほど
帰りづらくなると思うなぁ
ルリは心配そうに答えた
ウンスは一段落した診察の
手を止め
ミヒャンが入れてくれた
菊花茶を飲んでいた
忙しい思いをさせて
悪いわね
手伝いのヘミが
妊娠初期の大事をとって
休んでいるので
ミヒャンは雑用が増えている
いいえ 全然
むしろお役にたてて
嬉しいですよ ユ先生
ありがとう 助かるわ
ミヒャンのところは
ミホから便りはあるの?
はい
ホン尚宮様に可愛がって
いただいているようで
母親として
ちょっと妬けちゃうくらい・・・
でもとても有難いことですよね
おかげでミホも
寂しい思いをせず
王宮の暮らしにも慣れて・・・
ミホは頑張り屋さんだから
ホン尚宮さんに
気に入られているのよ
末が楽しみね
ウンスは微笑んだ
離れて暮らす娘を思う
ミヒャンの心情に
へジャが重なる
何も言わないけれど
へジャもオクリョンのこと
孫娘のことを気にかけて
いるはずだ
さっきのオンマ
晴れやかな顔で
帰って行きましたねぇ
さすがユ先生
ミヒャンはウンスが診察した
母子の患者のことを言った
ん?ああああ
母乳の出が悪くて
悩んでいたのよ
初めてのお子さんで
何でもかんでも心配みたい
誰かに話をするだけでも
楽になることもあるでしょう?
本当に乳が出ないなら
貰い乳もありだだと思うし
出産で頑張ったんだもの
頑張りすぎなくていいのに
母親って因果なものよね
オクリョンちゃんのとこの
赤ん坊も元気でしょうか?
そおね
気になってはいるんだけど
ウンスは顔を曇らせた
自分が迎えに行った方がいいのか
まだ見守っていた方がいいのか
悩ましいところだったのだ
それなら心配ないよ
オレ 様子を見てきたけど
元気そうだった
イサ?いつの間に?
ウンスは驚いた顔で
イサを見た
ユ先生が気にしている
だろうなぁと思って
こそっとね・・・
お乳の出が悪いって
オモニが心配してたけど
幸い近所に住むお姉さんから
もらっているみたいだよ
赤ん坊の方は順調だけど・・・
オクリョンはまだちょっと
元気がないかな?
そお・・・
ありがと イサ
イサの話を聞いてウンスは
オクリョンが
娘を産んだ日のことを思った
まだ夏の始まりだと言うのに
その日はうだるような暑さで
タンや三つ子や
ポムの息子たちと一緒に
庭で水遊びをして楽しんだ
オクリョンは出産まで
まだ少し間がある頃で
その日は体調も落ち着き
子守を兼ねて
子供達の様子を眺めていた
冷たいチャメを
みんなで食べたり
水鉄砲できゃあきゃあ遊んだり
仕事終わりのウンスも合流し
ウンスのアイデアで
そのまま庭で肉を焼いて食べ
東屋でお昼寝をし
子供達も女中たちも
もちろんポムも
大はしゃぎだった
疲れた子供達は熟睡し
遅くに帰って来た夫チェヨンと
今日の出来事をあれこれ話し
夫婦は閨でまったりと過ごした
いつもと変わらぬ夜
が 明け方
へジャの慌てた声が
屋敷に響いた
奥様 奥様!
オクリョンが
オクリョンが!
*******
『今日よりも明日もっと』
思い通りにいかない日
くさくさしたりイライラしたり
そんな時は目を閉じて深呼吸
きっと大丈夫
ちょっと落ち着こう
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おはようございます
昨日は軽い頭痛〜
これが副反応なのか
いつもの頭痛なのか
なんとも判断できない
ところでしたが
薬を飲むほどでのなのですが
ゆるっと過ごしてました
現在は腕の痛みはないものの
摂取部位でもないのに
力こぶができるあたりが
力こぶのように腫れていて
熱を持っています
痛くはないので気にならないし
生活に支障はないのだけど
不思議な感じ・・・![]()
そして不思議といえば
2回目のワクチン打ってから
食欲が増した?
なぜだがすぐお腹が空く
これって副反応?
ただの食い意地?
そんな経験の方いるのかしら?
月曜にワクチン摂取してから
今週は時間の進みが遅い気がする
ゆっくりし過ぎですね〜笑笑
さて お話はいよいよ
オクリョンの出産シーンへと
向かいます
出産シーンを描くには
エネルギーがいるので
チャージしつつ・・・
無事お届けできますように![]()
またおつきあいくださいね
<追記>
温帯低気圧に変わると思われた
台風14号ですが
台風のまま
西日本に上陸のようです
どうぞ備えを忘れず
安寧にお過ごしくださいませ