やっだぁ チュンソクさんってば
言うに事欠いて
なんて事聞くのかしら?
 
 
ウンスは帰って来たチェヨンから
チュンソクに子作りの相談を
受けたことを聞いて
大声で笑って
慌てて口元を押さえた
タンは今日は夫婦の寝台にいる
先に眠ったサンを子供部屋に残して
逆にこちらに自分でびゅ〜んと
飛んできていた
起きたかな?と覗き込み
すうすう寝息を確認してホッとする
 
 
で ヨンは何て答えたのよ
 
 
いささか声の調子を落として
ヒソヒソ尋ねた
興味津々の妻ウンスに
チェヨンは苦笑して答えた
 
 
知るか!と
俺にもわかるか
そのようなこと
狙って三人
できたわけではないぞ
 
 
そうだけど
でも あの頃の私たち
今のチュンソクさん達みたいに
必死だったわよ
ほら ソンオクが亡くなって
ソンオクの望みを叶えてあげたくて
だから出来たとも言えるわよ
 
 
ウンスは思い出すように言った
 
 
そうであったか?
俺は今も毎夜気持ちは変わらぬ
あの頃も今も同じ気持ちだ
 
 
まあ そうでしょうね
ヨンは変わらないわ・・・うん
 
 
ウンスは仕事や育児を考えて
まだ五人目には慎重だが
チェヨンは積極的・・・なような?
ただ先日 酒が回ってついつい
ウンスも深追いしたことは
事実だが・・・
 
 
ポムの願いを叶えてやりたいって
チュンソクさんの想い
いいわね〜
叶うといいなぁ〜
 
 
おかげで俺は 毎夜帰りが遅い
あいつ 俺に この俺に
新入りの鍛錬を
丸投げして
さっさと自分は帰るのだぞ
 
 
チェヨンは不満そうに
タンを壁に寄せて
ウンスを自分に引き寄せながら
ブツブツ
それを聞いたウンスは一笑した
 
 
自分だって散々同じこと
して来たくせに
それに
しょうがないじゃないの
うちは四人
あちらは今の所 一人息子
少しぐらい譲歩してあげてね
丸投げされてもいいじゃないの
ずっとヨンが丸投げしてきたのを
受け止めてくれてきた
腹心の友なのだから
 
 
と・・・友?
チュンソクが?
 
 
チェヨンは少々戸惑った顔
だが 言われてみれば
ウダルチの部下である前に
一人の男として
チュンソクを
頼りにしているところも
多分にあった
 
 
そうよ
チュンソクさんは仲間だし
ヨンの大事な友
時には兄貴かしら?
それにポムは私の可愛い妹だもの
妹夫婦のために
一肌脱いであげるのが
私たちの役目でしょう?
力になってあげてね
子宝の神様
 
 
おい イムジャまで
そのような戯言を申すか?
俺はイムジャが一枚
脱ぐ方が良いぞ
 
 
チェヨンはウンスの
衣に手をかけた
 
 
馬鹿!
くだらない冗談言わないで
最近 本当に子供達に似てきた
てか 子供化してる?
高麗の鬼神がそんなんでいいの?
威厳や体面はどうしたのよ
 
 
最近は子宝神呼ばわり
迷惑な話だが・・・
威厳も体面も知らんことだ
 
 
そうだった
鬼が神に変身したんだったわ
 
 
ウンスはまた笑った
 
 
そんなに笑う話か?
 
 
うんうん なんだか面白い
七年前のヨンしか知らない人は
びっくりだわよ きっと
あんなに寡黙な男だったのに
うふふ
 
 
ウンスはチェヨンの首に手を回し
抱きしめ囁いた
 
 
でも 今のヨンも大好きよ
甘ったれでもガキでも
私はなんでもどんと来いだわ
 
 
ウンスの言葉に我慢しきれぬように
チェヨンは言った
 
 
イムジャ 明かりを消して
はよう 寝るとしよう
タンはあちらへ移動するぞ
 
 
え あの
ハヌルの話・・・
まだあるのに
 
 
明日聞く
無事に婚礼が終わったという
話であろう?
 
 
そうだけど
へジャが頑張った話とか
あと
うちからお祝いを届けたはな・・・
きゃっ
 
 
タンを子供部屋に戻すと
チェヨンは急にウンスの上に
どさっと 覆いかぶさった
ウンスは驚いて小さな悲鳴
 
 
俺はガキなのであろう?
ガキは待てぬのだ
 
 
チェヨンはにっと笑うと
閨の明かりをふうっと消した
 
 
ーーーーーーー
 
 
へジャはソクテと女中ハヌルの
婚礼に出席して
無事に見届けて一安心していた
 
親族だけのこじんまりとした
お式になるはずが
近所の人が見物に来たり
チェ家が届けた
振る舞い酒を飲みに来たりで
賑やかな婚礼になった
そしてハヌルは
花嫁衣装がとても映えて
一層美しく見えたし幸せそうに見えた
 
ご両親もたいそう喜んでくれて
奥様から預かったお酒や
用意した料理は大好評で
さすがチェ家と褒め称えられ
へジャは鼻高々 
気分よく屋敷に戻って来たのだ
 
 
疲れただろう?
肩もみでもするか?
 
 
さりげなくいつも優しい
夫のソクテはそう言いながら
すでにへジャの肩に
手を置いて揉みほぐし始めている
 
 
頑張りすぎだぞ
ほら バキバキ言うだろ
背中も固いし 首も固い
 
 
ソクテは上手に
へジャの肩をほぐし 
その上心もほぐすように言った
 
 
ありがとう ヨボや
あああ いい気持ちだよ
なんだか気が張っていたから
急にホッとして気が抜けたよ
娘を嫁に出すって
こんな気持ちなんだろうかね
寂しいような嬉しいような
 
 
そうさなぁ
そうかもしれんな
だがハヌルはこれからも
奉公してくれるんだし
寂しくはないだろう?
 
 
そうだよね
亭主共々 このチェ家のために
働いてくれるんだものね
 
 
ハヌルは今日は実家に泊まり
明日チェ家に夫とともに
来ることになっていた
へジャは朝になったらもう一度
新婚の部屋の風を通そうと考えながら
肩をほぐしてもらったお礼に
夫のために酒の用意し
夫婦二人の穏やかな時を過ごす
ことにした
 
 
秋が深まり
夜風はすっかり冷たくなって
外は冷え込んでいる
だが
部屋の中は じんわりと
暖かな夜を迎えていた・・・
 
 
*******
 
 
『今日よりも明日もっと』
穏やかな夜も
熱い夜も 甘い夜も
愛する人と一緒なら
どんな夜もみんな優しい
 
 
 
またおつきあいくださいませ

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