ねえ
どうしてわかったの?
まさか!後をつけてたとか?
あ!スリバンでしょう?
ジホやシウルに見張りを
頼んだのね


饅頭屋の前で
確保されたウンスは
久しぶりに
チュホンに揺られながら
チェヨンに尋ねた


まさか?
そのような面倒なことせずとも
イムジャの考えそうなことくらい
わからぬようでは夫は務まらぬ


だって
昔は私の考えていること
理解できないって
言ってたじゃない?


それは出会ってすぐの話
二年近くもイムジャだけを
見て来たのだ


そっか
うふふ
そっかぁ


ウンスはなんだか
うれしそうに頷いた
そしてふと思った


だったら
お饅頭食べて帰っても
いいじゃない?
ヨンがいれは安心なんだし


それは出来ぬ
仮にも俺は市中見回りだ


そう言う名目で出て来たのね
ヨンたら   もう
で?テマンは?
一人で来たの?


テマンはタンにつけてある
先ほどまでウダルチも
一緒だったが
皆    引き上げたのだ


なるほど
あ〜饅頭食べ損ねたわ


ウンスはがっかりしたように
言った


饅頭ならば屋敷に届けたぞ
そうしたかったのであろう?
典医寺の分はどうせ
武閣氏に頼んだのであろうし?


ウンスは驚いて
目を輝かせた


ほんとに?
そうよ    屋敷の分も買おうと
思ってたわ
オクリョンが話を聞いて
食べたそうだったし


チェヨンはにやりと笑って
懐から小さな包みを
取り出した


ほら
食うか?
一番食いたかったのは
イムジャであろう?


左手に渡された
まだ温かい紙包みからは
いい匂いがした


嘘?
ヨンが買ってくれたの?
自分で?


悪いか?
イムジャにはよく
饅頭を買わされたもんだ


二人で逃避行する時も
よく食べたものだと
随分遠いことのように
チェヨンは思った


うふふ
そうだったわね
だってこの時代の食べ物って
どれも味気なくて
物足りなかったから
饅頭は天界の味がしたの


そうだったのか


初めて聞いた
ウンスの話に
少しばかり過去の痛みが
ぶり返した


うん
でも今はこの時代の味が好き
野菜も魚も肉も風味が違うの
素材の味が濃いっていうか
美味しく感じるのよ
もしかしたら
あなたやタンと一緒の
食事だからかな?


ウンスはそう言いながら
紙包みを開いた
暖かいチェヨンみたいに
ほかほかと湯気が出ている


食べてもいい?


ああ   構わぬ


ウンスはチェヨンに
支えられ
チュホンの上で饅頭を頬張る


美味しい
ねえ    ヨンも食べて


一口ちぎって
ウンスはチェヨンの口に
放り込む


ああ   うまいな


うん
美味しい


ウンスの幸せそうな笑顔に
チェヨンの心は和んだ


ねえ
チュホンに乗って
王宮に行くのは久しぶりね
タンが出来てからは
ずっと輿で
あなたの膝の上だったから
チュホン    重たくてごめん


ぶるるると
チュホンは首を振った


新婚時代に戻ったみたい


そうか?


そうよ
あ!思い出した


饅頭をあっと言う間に
平らげて
ウンスは指まで舐めると
チェヨンの胸板に
体をすり寄せて甘えるように
言った


何をだ?


うふふ
ほら   あの木の下で
再会した時


あ?


陣屋の風呂は男所帯だからって
宿屋の風呂貸し切って
くれたじゃない?


ああ


思い出したように
チェヨンは頷いた


あの時もこうして
ヨンに抱きしめられながら
陣屋に戻ったわ
あのお風呂!
そうそう湯船に
ムグンファが浮かんでて
びっくりしたもの
あの日も今も
あなたは変わらないわ
いっつも先回りして
暖かい


チェヨンはウンスの髪に
唇を寄せた
陣屋への帰り道
どれほどの溢れる思いを
鎮めながら帰ったことか
じれじれとウンスの気持ちを
待った日々を思い出した

ウンスはチェヨンの
焦れた気持ちなど
もちろん気づかす
また楽しそうに言った


ねえ
屋敷の庭にムグンファを
植えたのは
あの宿屋の思い出が
あったから?


あ?まあな


あの夜も美しかったウンス
ムグンファの香りが
ふんわりしたのを覚えていた


ね
来年の夏は
ムグンファのお風呂に
一緒に入ろう
今年はなんだかそんなことも
思いださないくらい
忙しかったもの


そうだな


うん


再会した頃を思い出し
新婚の頃を思い出す二人


あ
遅くなったから
タンが泣いてるわ
ジュヒが困ってるかも


そうであった
育児室に置いてけぼりで
タンのやつ
きっと拗ねてるぞ


大変   大変


イムジャ
チュホンを飛ばすぞ
振り落とされるなよ


大丈夫よ
ヨンがつかまえてて
くれるもの


ウンスは笑った


*******


『今日よりも明日もっと』
毎日毎日少しずつ
いい夫婦に
なっているかしら?



☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*


ネタバレ注意報で
前話のコメ返しを
まだいたしておりません
ミアネヨ〜
ぼちぼちお返しいたしますので
お待ちくださいませ


ムグンファ風呂の話は
2014  11月29日の
都で待つ人々のもとへ  其の参

なんだかうまく
リンクを貼れませんでした
飛ばなかったら
ミアネヨ  m(_ _ )m





皆様

余震には
くれぐれもお気をつけ
くださいませ



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