坤成殿ではチェ尚宮が
タンを待ちわびていた
ウンスはタンに
大叔母チェ尚宮から贈られた
水色のチョゴリを着せ
こうして見ると
一人前の男の子だわ
可愛い我が子にご満悦で
坤成殿へと向かった
武閣氏のヘミとヒョリが
ウンスとタンの護衛に当り
ウンスは女官ヨリと
ならんで 庭園の道を歩く
女官見習いのオリが
タンの荷物を持ちぱたぱたと
後ろからついて来た
おんぶは厳禁とのチェヨンの
命に従って
おんぶを断念したウンスは
大きな布でタンを覆うと
今度は即席抱っこ紐にした
六ヶ月のタンは
身体のバランスをとるのが
上手なようで
ぴたっとウンスのからだに
張り付いて抱き易いのだが
それでも目方も増えて
抱っこして歩くのは
少々しんどい
天界のオンマのやり方よ
これならいいでしょう?
おんぶの方が楽ではあるが
背に腹は代えられぬと
ウンスはなんとか抱っこ紐の
許可をチェヨンから得た
タンは庭園の景色が珍しいのか
きょろきょろ辺りを見回し
飽きたらウンスの胸に
顔を擦り付けて
ふあ~っとあくびをしている
つんと尖った上唇が
なんだかとっても可愛くて
ウンスは吸い付きたくなるのを
我慢した
タン
大叔母様が待ってるわ
それに王妃様もね
あう う~
てくてく歩く散歩みたいで
のどかな昼下がり
坤成殿の入り口では
チェ尚宮が待ち構えていた
遅いではないか ウンスや
朝のうちに来るのかと
思えば
もうお日様も高うなったぞ
すみません
ポムが来ているもので
おしゃべりしてたら
少し遅くなっちゃって
ポムが来ているのか?
はい
変わりはないか?
ええ お腹が少し目立って
きたかしら?
そうか
それはよかった
チェ尚宮はわずかに微笑んだ
王妃様のお加減は?
昨夜は王族の集まりがあると
言ってましたよね
ああ 産み月も近いから
お休みされたら
いかがかと申し上げたのだが
真面目なお方だからのぅ
今日はお疲れのご様子だ
だから早うに来いと言うて
おるのに
チェ尚宮はぶすっとまだ何か
小言を言いかけたが
ウンスが抱っこ紐を外して
タンをひょいと渡したので
ニコニコ顔に変わった
タンや
元気でおったか?
あう あう
おおそうか
いい子であったか
さすがはチェ家の跡取だ
やはりこの色は似合うの
おお
ほっぺがまたふっくら
してきた
かわいい子じゃ
今にもタンの頬をなめそうな
勢いでチェ尚宮が見つめた
では 叔母様
タンをよろしくお願いします
私は王妃様にお会いしてきます
ウンスは軽く頭を下げると
部屋の中へと入っていった
タンはウンスの姿が見えなくなると
不安そうな顔をしたが
チェ尚宮には懐いているようで
その衣をぎゅっと握りしめた
大きな椅子に腰掛けられた
王妃様は
今にもはち切れそうな
大きなお腹でウンスを迎えた
少し息があがっているようで
お顔の色もすぐれない
ウンスは心配して
脈を取った
少し早いわね
王妃様
ご気分が優れないのでは
ないですか?
ご無理は禁物だと
あれほど申し上げましたのに
昨日の集まりもお休みしたら
よかったのに
ウンスの言葉に
王妃様はただ
黙って微笑まれた
産み月までもう一息なの
でも
今 生まれて来るのは
まだちょっとだけ早いわ
天界なら 保育器もあるけど
此処には何もないもの
もう少しだけ
頑張ってくださいね
ああ そうじゃな
王妃様は答えた
ストレス・・・えっと
心の負担がよくないんです
王妃様のお立場だと
難しいかも知れないけれど
気を楽に ゆったりと
過ごしてくださいね
お薬をお出ししますから
ちゃんと飲んで
ゆっくり寝ること
はい・・・姉様
王妃様は素直に頷かれた
ウンスは持参していた
安胎薬を女官ヨリに渡し言った
しっかり飲ませてね
まずいからって
吐き出さないように
気をつけて
何か口当たりのいい
果物とかを
用意しておくといいわ
はい 医仙様
ヨリは王妃様についていて
何かあったらすぐに邸に
知らせに来てね
元々は王妃様付きの女官
ヨリは深々と頷いた
名残を惜しむチェ尚宮から
タンを引き離し
ウンスは坤成殿を後にした
タンはウンスの腕の中で
お乳を探すような
素振りを見せる
お乳は邸に戻ってからよ
さあ 帰りましょう
陽射しが雲に隠れ
少し風が出て来た
ウンスは寒くないように
タンをすっぽりと布で
覆うと
ポムの待つ邸へと急いだ
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『今日よりも明日もっと』
頑張ろうと思っても
なかなか上手くいかない時は
せめて 上を向いて歩こう
☆*゚ ゜゚*☆*゚ ゜゚*
地震の被害が甚大な時に
お話をアップしている
場合だろうか?と
ためらいもありましたが
こんなときだからこそ
お届けしようと思いました
どうぞ
安寧にお過ごしいただけ
ますように・・・
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