ホッとして ウンスは
首にしがみつき 抱きついた
チェヨンは
少しからだが
浮き上がったウンスを
器用にすくい上げると
腕の中で抱きしめた
まったく イムジャときたら
やはり夢中になると 周りが
見えぬではないか
役目も大事だが
今はそれ以上に
からだが大切だぞ
うん
しゅんと返事をしてから
ウンスがポツリと言った
ほっとしたら なんだか
お腹 空いちゃった
チェヨンがぷっと吹き出して
優しい顔で笑った
みぃ そなたの母上は
なんとも呑気だなあ
だって
みぃが欲しがっているのよ
母上の言い訳だな みぃ
チェヨンはウンスの腹をさすった
あら ほんとだってば
ヘジャが持ってきた
お餅を食べたいわ
まあよいか
腹が減るのは元気な証拠だし
良かった チェヨンが笑ってる
良かった イムジャが笑ってる
互いに互いを思いやり
またどちらからともなく
唇を重ねた
戸口に控え 餅と茶を持ち
中の様子を伺っていた
ヘジャの肩を トギが
とんとんと合図した
トギもウンスを心配し
こっそり様子を
見に来た様であった
ヘジャはトギに気づくと
あら 私としたことが
なれど
立ち聞きではありません
ただ ちょっと
お部屋に入るのがはばかられまして
そう反駁すると
トギは納得したように頷いた
そうだ 天界式のタノの餅を
たくさん作りまして
よろしければ典医寺の皆様も
お召し上がりくださいね
診療室に置いて参りましたゆえ
ほお!と にこやかな表情を見せて
トギは診療室に向かって歩き出した
ヘジャは んんっ と
咳払いをしてから
ウンスの部屋に入る
あら ヘジャ
丁度良かった
今 お餅が食べたいって
言ってたところなの
チェヨンの隣に座った
ウンスが言った
食欲が出てようございました
顔に生気が戻ったようで
安心いたしました
やはり奥様にとり
旦那様は何よりの
薬なのでございますね
ヘジャの言葉が身に沁みた
チェヨンが ウンスに言う
今宵は早く帰るゆえ
ヘジャと先に屋敷に戻っておれ
うん うん
餅を頬張りながら ウンスが頷く
イムジャはほんとに美味そうに
餅を食うなあ
そう言うと チェヨンは
ウンスが手にした餅を
横からパクリと食べて
その指先まで ペロリと
舐めた
あー チェヨン!
やっと
いつものイムジャに戻ったか
食い終わったら 一緒に行くゆえ
侍医に元気な顔を見せてやれ
言葉が過ぎたと気にしておったぞ
うん わかった
ちゃんとお礼を言わなくちゃね
ああ
チェヨンが恋しい妻の髪を
梳くようになでて頷いた
診療室や
典医寺の中庭にいた患者も
治療を受けて
だいぶ落ち着いて来た頃
ウンスはチェヨンとともに
診療室のチェ侍医のもとに向かった
ウンスの顔色を見て
安堵した様子のチェ侍医が
脈を
と ウンスの手首を取り
じっと探るように診ると
落ち着いたようですね
良かった
と 言った
チェ先生
もう無理はしないから
ありがとう
叱ってくれて
いえ 私も
ちと言葉が過ぎました
そのように礼を言われると
余計に肩身が狭くなります
チェ侍医の涼し気な目元が
笑っていた
ウンスがチェヨンを見ると
小さく頷いた
重症の患者は典医寺に
しばらく
留め置くことになりましょう
養生が必要のようですし
そうね 治療に
時間がかかりそうだわ
でも根気よく
治療していきましょう
ウンスとチェ侍医が頷きあう
その様子を見届けて
ここも落ち着いたようだし
そろそろ兵舎に
戻るとするか
と チェヨンが言った
ところが
そう思ったのも束の間
ざわざわとした喧騒が
中庭の方から届いてきた
もう重症な患者は
いないはずですが
チェ侍医が何事かと
眉をひそめる
喧騒はわめき声と
それを沈めようとする
典医寺の者たちとの
やり取りであった
医仙
医仙様はどこ?
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『今日よりも明日もっと』
あなた以上の薬はないわ
あなたが側にいるだけでいい
もう一波乱?( ̄□ ̄;)!!