坤成殿から典医寺に戻る途中で
ウンスたち四人は
偶然 禁軍アンジェ将軍とその供の
禁軍兵士と行き交った
礼をして通りすぎようとする
アンジェにウンスが声をかける
将軍 先日はせっかくウネさんが
来てくれたのにお会い出来なくて
ごめんなさいね
ウネさんにも
よろしく伝えてくださいね
そしてやや小さい声で
ほんとに あの人の心配性も
困ったものだわ・・・
独り言のように呟いた
まあ 大護軍の医仙殿への
ご執心は皆の知るところですゆえ
そう言ってアンジェは笑った・・・
もう 王宮で
どんな噂になっているのか
恥ずかしいわ
ウンスは困り顔だ
それから 気を取り直したように
アンジェ将軍も
軍議の戻りなんでしょう
朝方 見かけたもの
はい さようで
大護軍はまだ 宣仁殿かしら?
はい 王様と
お話があるようで
そう・・・
会えるかと思ったんだけどな
ウンスの呟きをアンジェは
聞き逃さなかった
まことに仲の良いご夫婦ですな
それにしても あのチェヨンが
ここまで 変わるとは
誰も思いませんでしたが・・・
そんなに変わった??
はいそれはもう・・・
以前のやる気のない
ただ寝ているだけのあいつとは
えらい違いで・・・
あの人の心
ずっと 凍ったままだったから
あいつは
文臣としても十分 才があり
また家柄も申し分なく
評判の美少年でした
そうみたいね
ソンオクからも聞いているわ
はい
黙っていても 何不自由ない
一生であったのに
何を好き好んでいばらの道を
選んだのかと
赤月隊を選んだと聞いたときは
驚きました
まあ
あいつらしいといえばそうですが
でも もしあいつが
武士になることが
あなた様と出会うために
必要な運命であったならば
少しは
あいつの苦労も報われます
アンジェの言い方が
幼馴染みを思いやる口調にかわる
あいつを追いつめたのは俺なのかと
俺が赤月隊へ導いたのではないか
そんな負い目が心のどこかに
ずっと あったもので
アンジェが遠い目をして言った
さわさわと風が吹く
すっかり葉桜になった庭園の
桜の枝を揺らしていた
イムジャ・・・
チェヨンがウンスとアンジェに
気づき 遠くから声をかけた
あ ヨンだわ
チェヨンの姿を見つけると
ウンスの顔がほころんだ
チェヨンが急ぎ足で
こちらに向かってくる
良かったですね
顔が見られて
アンジェがウンスをからかった
将軍でも そんなこと
言うのね
ウンスが頬を染めて目を伏せた
長くなりそうな様子に
トギが先に戻ると言って
とっとと
典医寺へと行ってしまった
チェヨンは
ウンスのところまで来ると
このようなところで
このような無骨なやつと
立ち話か
少し拗ねるように声を発した
アンジェはチェヨンを見て
少しあきれ顔ながら
黙礼するとその場を離れ
持ち場へと戻っていった
ウンスは
にこやかな顔をしながら
ええ 将軍には
さっき偶然お会いしたのよ
この間 ウネさんをあなたが
追い返したことも謝りたかったし
それはイムジャが話に夢中になって
からだをいとわぬゆえ
はい はい・・・わかったわ
でも 良かった
あなたの顔が見られて
もしかして
俺を待っていたのか
チェヨンの頬がわずかに緩む
ふふっとウンスが微笑んで
ここを通るかなって
坤成殿から少し遠回りしちゃった
軍議長引いたのね
ああ
お疲れさま
ねえ
今日も帰りが遅いの?
いや 今日はそうでもない
ごはん一緒に食べられる?
また チャメか・・・
はあ と ため息をついてから
帰りに典医寺に迎えにいくゆえ
待っていろ
そう言って ウンスの頭にぽんと
手を載せると
チュンソクとともに
颯爽と 兵舎の方に向って行った
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『今日よりも明日もっと』
大切なあなたの
少年の日に心寄せる・・・
葉桜・・・
瑞々しい青々とした
美少年ヨンを
お届けいたします
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