チェヨンは今宵遠出をし
海岸沿いの村の様子を
テマンや数人の供を連れて
視察することになっていた
倭冦対策の軍議を前に
方策をまとめなければ
ならない
いくらなんでもいつも
チュンソクに
丸投げする訳にもいかず
仕方なく出かけることにする
出る前に 典医寺によって
イムジャの顔を見てから
いくか
そう思い立ち テマンが
呆れるのも構わず
典医寺に立ち寄った
非番にもかかわらず
手持ちぶさたなのか
ウンスが残り少なくなった
患者を診察していた
一息ついた頃を見計らい
声をかけようと
眺めていたら
ウンスが トギに
何やら話をしていた
ねえ トギ
今の男の子
昔つき合ってた
元カレに似てたわ
トギは やれやれと
言った風で相手にしてない
様子だったが
でも ヨンには内緒よ
またすぐ焼きもち焼くもの
そう言ってふんわりと笑った
元カレとはなんであろう
トギにはわかる天界語?
つき合っていたとは
慕っていたと言うことか?
頭の中でウンスの言葉が
ぐるぐる回る
テマンが見兼ねて
そのままいきますか?と
尋ねた
いや イムジャと
会ってから行こう
このまま出かけては
落ち着かぬ
はあ
でも話したらさらに
落ち着かないんじゃ?
チェヨンは
そう言うテマンの頭を
ぱこんと叩いた
*******
チェヨンは
ウンスの前にぬうっと
急に現れた
驚いたウンスは
座っていた椅子から
転げ落ちそうになる
チェヨンがすかさず
ウンスを抱きとめた
ふてくされた
チェヨンの顔がウンスを
見おろす
もしかして
今の話 聞いてた?
ああ
変な意味じゃないからね
おずおずとウンスが言った
変な意味とはどんな意味だ
いや だから
そう 戯れ言よ
ねえ トギ・・・
ウンスはトギに助けを求めるが
トギは知らん顔を決めこんでいた
イムジャは
ごまかそうとするとき
瞬きが多くなるのを
知っておったか
さ
さあ??
なんにしても
何を言っても
今はウンスの分が悪い
どうしよう・・・と
頭をフル回転させたが
チェヨンの静かな怒りを
沈める方法が
思いつかなかった
では 先ほどの話を
俺もじっくり聞くとするか
俺は心が広いゆえ
悋気などいたさぬ
すでに怒ってるじゃない
そんな天界でちょっと
仲の良かった男の人よ
ちょっと仲の良かった男?
いやいや 今のは
言葉のあやよ あや
何をいってもドツボに嵌る
トギが痴話喧嘩を
なんとかしろと
テマンに目配せした
もう どうしようもないよ
テマンが諦めたように
トギに目配せ返した
て てほぐん・・・
そろそろ出立しないと
テマンが一応言ってみる
このまま 行けるか
むぅとしたまま
チェヨンはウンスを
奥のウンスの部屋へと
連れて行った
だから誤解だってば
ほんとに戯れ言だし
ウンスの言葉を
聞く耳を持たないチェヨンが
ウンスに尋ねる
その元彼とやらとは
どのような関係であった
だから同じ学校のセンパイ
・・・兄貴分で
いっしょに御飯を食べたり
映画を見たり
その程度の付き合いよ
えいがとな?
ええ お話を映した
???
あーもう面倒くさいわ
面倒くさいとは何事か
自分はさんざん俺の過去を
気にするくせに
俺の問いに答えるのは
面倒なのか?
そうじゃないわよ
天界語を
うまく説明できなくて・・・
しどろもどろに言う
ウンスに向かって
唐突にチェヨンが
言った
清めねば
は?
清めねばなるまい
はい?
チェヨンがウンスに
にじりよる
ここで?
清めるの?
ああ
ここは典医寺
みんなもいるわ
わかってる?
かまわぬ
このままでは出立できぬ
いやいや
かまうから 私は
ヨン
ちょ ちょっと
ちょっとってば・・・
*******
ウンスの部屋から物音がする
心配したテマンが
見に行こうとするのを
チェ侍医とトギが止めた
チェ侍医が言った
そのうち出てきますよ
仲直りして
それまで
そっとしておきなさい
しばらくすると
朱色の頬をして
俯いたウンスと
満足そうな顔色の
チェヨンが
部屋から出て来た
テマン参るぞ
イムジャ のちほど
迎えに来る
それまでおとなしゅう
しておれ
おとなしく
出来なくしたのは
どこのどいつよ
襟元を直しながら
ウンスはひとりごちていた
*******
『今日よりも明日もっと』
時には悋気も
愛するための言い訳になる
★きょん様
ウンスの昔のことで
ヨンが悋気する のリクコメ
ありがとうございました
ちょっと戯れました(〃∇〃)
お楽しみいただけたら
うれしいですヨン
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