レストランで不快なものに出会った。
その人が話すたびにケタケタ笑う。
その人が笑顔で接客するたびにケタケタ笑う。
その人が、お客様のお見送りで深々とお辞儀をするその背中で、頭をのけぞらせ、口をだらしなく開け、口から白いモヤモヤを出しながらケタケタ笑う。
ケタケタが五感に触れるたびに不快な振動が起る。
このケタケタ笑うモノの行いは人であれば正気のものでは無い。
ただ、それが見えないモノならばその限りでは無い、そのように成り立ち、そのように生まれているから仕方ない。
仕方ないのだが憑かれた人はたまったものではないだろう。
少しずつ自分の世界を侵食し、少しずつ自分の軸を歪め、少しずつ自分の正気を蝕むものが背中に乗っかっている。
本人が真心こめて接客しても、一生懸命に頑張っても、丁寧に笑顔で接客しても、ケタケタやられると一定確率で不快になる。
7回目のケタケタをやった瞬間、イラッとして思わず掴んで押しつぶしかけた。
かけたが思いとどまって「何かに仇なせば何かに討たれる」と伝え窓の外に放り出す。
ケタケタが建物から離れるのを確認し、ふとシャツを見ると、ケタケタを掴んだ時に落としたと思われる醤油が染みになっていた。
「何かに仇なせば何かに討たれるか・・・」と心の中で呟いた。
今日の見えない人でした。