○摂動源を探索すると見えてくるもの
今日の惑星Ⅹの現代的探索は、実のところ、知性と観察力により天文学者や数学者が天王星や海王星などの惑星を発見した科学の成熟期に始まったのだ。
「摂動」とは、惑星など、ある物体の軌道が、一つ以上の他の物体の重力の干渉を受けて変えられることを意味する天文学の用語である。
人間にたとえれば、ベリーダンサーは腰を「摂動させる」ことで、我々を楽しませてくれると言うことができる(我々の目を奪うのは、あの腰の小さなひくひくだ)。
何千年もの間、美しい輪を持つ土星は、肉眼で見る限り最も遠くにある惑星だったのだが、17世紀になってオランダ人が強力な望遠鏡を作って観測に使い始めてから状況は一変した。
たちまちのうちに、初期の天文学者らは土星の軌道上に摂動を観察し、これが、1781年、ドイツ生まれのイギリズ人天文学者、ウィリアム・バーシェルの天王星の発見へとつながったのだ。
シャーロック・ホームズ流に言えば、この時点で、「さぁ、惑星Xのゲームの始まりだー」となる。
多くの好裔心に満ちた目が天王星に向けられるようになったことで、摂動は、この新しく発見された惑星の軌道上でも確認された。
すると今度は、19世紀イギリスの数学者で天文学者でもあるジヨン・カウチ・アダムズが、数学だけを使って、このまったく新しい摂動源の存在と位置を予測するに至るのだ。
これをもとに、さらには、ドイツ人天文学者ヨハン・ガレによる1846年の海王星発見へとつながるのだ。
なんという芸当だろう!
さらに観測を続けると、土星や天王星同様、海王星の軌道も摂動を受けているのだ。
この説をたどったフランスの数学者ユルパン・ルヴエリエは、1846年海王星のさらに向こうに別の摂動源があると発表するに至る。
本当のところは、このときになって、現在の我々が考えるような意味での惑星Xの近代的探索が始まったことになる。
それでも、これ以前の発見と違って、今回のものは多くの問題をはらんでいた。
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