「福島第一原子力発電所の事故」からの放射性物質『ヨウ素131』について、
今日は、僕が、できるだけ詳しく・分かり易く解説したいと思います。
【核分裂反応】
日本の商業用原子力発電所は、全て軽水炉(LWR)です。
軽水炉は、タイプが二つ『沸騰水型炉(BWR)と加圧水型炉(PWR)』あります。
さて、軽水炉(Light Water Reactor)とは、どういうものかを説明します。
ウランの核分裂(ウラン原子核に熱中性子を当てることにより、分裂させること)により、その時に
発生する熱を炉内の水(一次冷却水といいます)に伝え、その熱を炉とは切り離された水(二次冷却水)
に伝えて、その水蒸気の力で発電タービンを回して電力に置き換えています。
採掘されたウラン(天然ウランといいます)は、核分裂反応を起こすウラン235が全体の割合の0.7%
しかありません。天然ウランのその殆どは、核分裂反応をおこさないウラン238が占めています。
【235とか238とか表示していますが、原子数を示しています】
この状態では、ウラン235の核分裂反応は継続できません。よって、採掘されたウランは、一度
「6フッ化ウラン;気体」に変え、遠心分離機(洗濯機のようなもの)にかけ、分離機の中央に集まる
ウラン238よりも軽いウラン235を回収します。この遠心分離によって、ウラン235の割合を3~5%に
濃縮する訳です。
ここでできた、ウランは転換工程を経て、UO2(二酸化ウラン;固体)燃料ペレットが作られます。
燃料ペレットは、燃料棒(さやみたいな筒)に入れられ、いくつかの燃料棒を束ねて被覆管(材質は、
ジルカロイが使われています)に収められ、1本の燃料集合体が作られます。
原子炉内に入れられた数十本の燃料集合体に、熱中性子(速度が遅い中性子線)を当てると、
核分裂反応が起こります。
核分裂とは、ここではウラン235の原子核が、熱中性子により真っ二つに割れて、大きなエネルギー
(熱)を発します。このとき、原子数からみても235のおよそ半分のヨウ素131等ができるわけです。
核分裂した際は、分裂したウラン235から、同時にいくつかの高速中性子が発します。これが、原子炉
内の水により、減速されて新たな「熱中性子」となり、次々にウラン235の核分裂が継続する状態に
なります。この状態のことを『臨界』といいます。
【放射性ヨウ素131】
今度は、核分裂反応でできた、核分裂生成物(FP:Fission Product)の1つヨウ素131の話しをしたい
と思います。
放射性物質は、不安定な状態であるため、放射線(α線・β線・γ線)を出してより安定な元素に
自ら変わろうとします。
放射性ヨウ素131は、β崩壊(β線という放射線をだすこと)によって、放射性でない安定なキセノン131
になっていくのです。
放射性物質を理解するのには、「半減期」を知ることが重要です。
半減期とは、もともとの放射性物質の能力が半分になるまでの期間です。
半減期とは、もともとの放射性物質の能力が半分になるまでの期間です。
放射性ヨウ素131の半減期は、8.04日(約8日)です。例えば、10Bq(ベクレル)あったものが、
8日経つと、5Bqになります。
ヨウ素は常温では気体です。化学的にいえば、ハロゲン化物のガスなので、非常にイオン化し易い
ヨウ素は常温では気体です。化学的にいえば、ハロゲン化物のガスなので、非常にイオン化し易い
といえます。つまり、雨などの水に取り込まれ易い性質(イオン化;水溶液になる)を持っています。
報道で、水道水の値が、乳幼児の摂取限度の100Bqを超えたとありましたが、首都圏も先日は
報道で、水道水の値が、乳幼児の摂取限度の100Bqを超えたとありましたが、首都圏も先日は
雨が降ったことでしょう。上空の放射性ヨウ素131(ガス)が雨に取り込まれ、浄水場に集められたと
思われます。
今は、半減期の関係から、徐々にBq数値も下がってきているのではないでしょうか。
また雨等により、Bq(ベクレル)数値は上下すると思います。
今は、半減期の関係から、徐々にBq数値も下がってきているのではないでしょうか。
また雨等により、Bq(ベクレル)数値は上下すると思います。
【単位シーベルト;Svとは?】
人体に影響を与える放射線量の数値(線量当量といいます)です。
m(ミリ;10の-3乗),μ(マイクロ;10の-6乗)です。
例えば、1回のX線写真では、約600μSvの線量当量を受けます。これは、一時的に受けるもので、
体には、影響が現れないのです。
今、福島第一原子力発電所では、200mSv以下の被ばく者が数名、出たようです。
事故対応にあたっている現場の線量当量率(mSv/h)が報道されていませんが、放射線管理の
専門家が、事前にサーベイ(計測)し、作業員の安全確保に努めて欲しいものです。
厚生労働省の規定では、緊急時のみ100mSvを限度とするとしていましたが、昨日の発表で、
250mSvに引き上げられました。
熱く語ってきましたが、皆さんの原子力知識の参考になれば幸いです。
どうか一刻も早く、現場の収束が図られることを祈るばかりです。