数日前、領事館に用事があって、列車に乗ってシカゴに行った時のお話しです。
シカゴの領事館には前は車で行ってたのですが、車での通勤時間が極度に短くなった(10分以内)今、片道約1時間の慣れない道のりを運転するのは億劫です。
最寄駅まで車で行って、列車が来るまでゆったり本を読んで、片道1時間程の間、車窓から景色を眺め、シカゴのユニオンステーションについてからは地下鉄の駅まで歩きました。ちょっと暑かったけど、歩道を歩くことが少ない車社会の郊外で暮らしていると、たまにダウンタウンを歩くのは気持ちが良いです。
予定通りに用事を終えて、帰りの列車に乗りました。
お昼時だったのでマクドナルドのサンドイッチを駅で食べた後に乗り込んだので、
ちょっと眠くて、眠って乗り越さないように、と思っていましたが、無事眠らずに最寄り駅で降りられました。駅の駐車場は下車ホームの反対側にあるので、列車が発車してからでないと渡れません。列車が発車し、駐車場に向かいながら車のキーを取り出そうとしたら、ショルダーバッグが肩に掛かってません><。
あちゃー><。振り返っても何処にも落とした形跡はありません。列車の座席に置き忘れたようです。気がついてすぐ、出発してしまった列車を追いかけましたが、勿論止まってくれるはずも無く。。。
車のキーはショルダーバックの中。誰かに電話をしようにも、携帯もショルダーバッグの中。そして公衆電話を使おうにも、財布もカードもショルダーバッグの中です><。
その駅は無人駅で、朝夕の通勤時間には1時間に何本か発着がありますが、
私が降りた昼の時間帯は2時間に1本。訳を話して次の列車で追う事も出来ません。
途方にくれていると、同じ列車から下車した10人程の中の2人の女性が
話しかけて来てくれました。アジア系の女性が「列車に何か忘れたの?」
鞄を忘れたのだと説明すると「車で急げば次の駅に先回り出きるわよ。」
車の鍵も鞄の中なのだと言うと「子供を迎えに行くのでなければ、送ってあげられるのだけど」とその女性は急ぎ足で行ってしまいました。
もう一人の女性が「お家に電話をかけて、誰かに迎えに来てもらえないの?」と聞きました家の鍵も鞄の中なので、もし家まで送って貰っても入れないのだと言うと、
「一人で暮らしてるの?どうしたらいいのかしら。」
私は午後に出勤する予定だったので、会社まで送ってもらうことにしました。会社に着けば、電話もかけられるし、同僚に少しのお金も借りられるだろう、と思ったからです。
送ってもらう車の中で、その女性は私に名前と連絡先、鞄の形状をノートに書くように言いました。「きっと鞄は無くならないと思うわ。メトラ(鉄道の名前)に連絡して、乗務員に探してもらい、折り返して来た時に、同じ駅で渡してもらえばいいのよ。2時間後ぐらいになるけど。」
私はそんなことがして貰えるんだったら良いけど、そうは思えませんでした。でも、何も言わず、名前と、会社の電話番号、そして鞄の形状と目印(外ポケットに写真付の社員証が入っていること)を書きました。私の名前を見て「日本人?」と言いました。少し感心しました。中西部で名前を見ただけで日本人と解る人は、結構少ないので。そしてその女性の名前と連絡先を聞きました。
会社の受付で、社員証が無いけれどもゲートを通して貰い(顔は知られている)、
上司に話してメトラに電話。乗務員と連絡を取って、探してくれるとのこと。
そして見つかったら連絡をする為に、と名前、電話番号、鞄の形状を聞かれました。
この時点で置き忘れてから40分程が経過していました。
それから10分程して、、、、電話がなりました。Caller IDがMetraの表示になっています。「鞄。見つかりましたよ。」会社まで送ってきてくれた女性が言ったとおり、最寄り駅のプラットホームで手渡してくれるとのことです。約束の時間まで、40分程度。すごい!なくした鞄が2時間以内に手元に戻るなんて!
同僚が駅まで車で送ってくれました。車の中で、私は思わず言いました。「I'm so lucky!」「絶対遅れないように、早めに着くように」と会社を出たので、
約束の時間の20分前に着きました。ずっと一緒に待って貰うのは悪いと思って、
もう大丈夫だから会社に帰って、と言ったのですが、同僚が
「もし鞄を渡されても、車のキーが無いかも知れない。鞄の中身を確認するまで、車の中で待ってるよ。中身を確認してOKだと合図を貰ってから戻るよ。」
それから20分、日陰のベンチに座っているのも落ち着かないので、
日差しの強いプラットホームの上で待ちました。
列車のヘッドライトが見え始め、列車がホームに入ってきました。扉付近にそれらしい乗務員の影を見つけようとしましたが、見つかりません。
こちらの列車は降りる人がドアを開けるようになっているので、降りる人がいない号車のドアは開きません。列車がやって来た方角のどのドアも開かないのを見て、不安に思って振り返ると、列車の前の方の号車のドアの外で、若い乗務員さんが私のショルダーバッグを持って振っています。
私が駆け寄ると「ドアの内側から手を振ったんだけど、気がつかなかったね」と言われました。ありがとうと何度も言って鞄を受け取り、中を確認してみました。全てありました。領事館で必要だと思った書類発行手数料の百ドル以上のキャッシュの入った封筒も。
その日、うちに帰ってから、会社に送ってくれた女性に電話しました。会社に送って貰う車の中で、彼女が近くのWalgreenとPanelaで働いていること、シカゴの学校に行っていることを聞いていたので、お店によってお礼と、ささやかな感謝のプレゼントを持って行きました。
鞄を無くしたのは最低だったけど、嬉しかった出来事でした。話す人、話す人みんなに、「You are so lucky!」と言われました。私もそう思います。