栗山ミヅキさんのマンガ「保安官エヴァンスの嘘」(サンデーコミックス)

 

   強い者こそが掟だった時代、西部の荒野のどこかにたたずむエスニック系美女とその用心棒。「俺を用心棒にしたこと後悔させないぜ」と言い放つ用心棒。「頼りにしてるわ」と美女。そこへ追いかけてきたガンマンが一人。まだ若く、なかなかの男前。彼は、保安官エルモア・エヴァンス。美女を口説きたい一心で追ってきたのでした。彼女が、お尋ね者だとも気づかずに・・・こうして、エヴァンスの恋愛がまたもや、始まりもせずに終わります。そう、エヴァンスは「恋人いない歴=年齢」の男。保安官になったのは最強のガンマンとして、モテたいから。

  未遂に終わった失恋に痛む胸を抱えて帰る途中、エヴァンスは若い娘が酔っ払いに絡まれているのを目撃します。娘の腕からは血が。酔っ払いはただの酔っ払いではないのか。

  エヴァンスは娘を助けようと、男たちに声をかけるのですが・・・・・・(「保安官は振り返らない」)

 

 

  年頃の娘がホットパンツをはいているという、時代考証まる無視の、爆笑西部劇マンガです。

  表紙はなかなか、クール。ソファにすわり、様々なタイプの美女に囲まれながら、すこしも、にやけていないエヴァンス。これが、彼の妄想の世界。

 

  モテたい一心で射撃の訓練をし、結果、保安官になってしまったエヴァンス。実際、その実力は確かで、西部の荒くれ者たちが、彼の名を知るや、一目散に逃げだすほどの凄腕ガンマン。市民からの信望もきわめて篤いのです。

  ことが起こるたびに、エヴァンスの脳裏に浮かぶのは、父の言葉。

  「しっかりものに見えて、ぬけている女はいいぞ」などなど、女選びの規範から、射撃の規範、男としての生き方の規範に至るまで、幼少時から叩き込まれています。その教えどおり、行動するエヴァンスですが、それが果たして吉と出るか凶とでるかは、読んでのお楽しみです。

 

  最初の数話は、エヴァンスとゲストヒロインのエピソード。ずっと、この調子でいくのかなと思っていたところに、メインヒロイン登場。賞金首をめぐってエヴァンスとライヴァル関係にある、賞金稼ぎの娘、フィービー・オークレイです。金髪を肩につくくらいの長さでカットした、なかなかに魅力的な女の子。エヴァンスとは射撃の試合などで知り合った少女時代からの仲。 

  実はふたりは、互いに「相手がその気なら、つきあってもいい」と思っているのでした。しかし、高いだけのプライドが邪魔をして、どちらからも切りだせません。

 

   オークレイが登場してからも、サブヒロインが登場する回も。その中には、父が銀行家、母が外国貴族というお嬢さまもいて、しかもエヴァンスにプロポーズしてくるのですが・・・・・・

 

  とにかく、気持ちよく笑えるギャグ西部劇。ひと昔前風のギャグや笑いのツボが、かえって新鮮で面白いです。同じパターンで飽きるかと思われたとき、メインヒロイン登場。また同じパターンで飽きそうな感じがしたので、まだ1巻しか買っていないのですが、今後も紆余曲折がある模様。続きが読みたくなってきました。

 

 作者は2013年デビューの若手の漫画家さん。デビュー作を含めて本作が3作目。3作目にして連載作品となりました。週刊なので、コミックスが出るのが早い、早い。心配なのは、どこかの誰かが実写化しようなどと言いださなければいいが、ということですね。

 

 とにかく、いやなことはすべて忘れて、笑いたいときにはおススメのマンガです。

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