辻堂ゆめさんの「悪女の品格」(東京創元社)

 

   光岡めぐみ29歳。小学生時代の金持ちの同窓生3人を恋人にし、かれらに貢がせて贅沢に暮らしています。

   そんな彼女をおそった突然の異変。物置に監禁され、化粧品などに塩酸を入れられ、奇怪な文書まで届けられます。めぐみには小学校の時、真木という男子をいじめていたという過去がありました。まるで、それに復讐するかのようないやがらせ。

   ちょうど、そんなおり、めぐみはお見合いパーティで山本という大学准教授と意気投合します。ところが、その山本の正体は成長した真木でした。真木は一連のいやがらせは、自分がやったことではないと主張します。めぐみと真木は真犯人探しを始めるのですが・・・・・・

 

 

   めぐみが悪女というほど悪女ではありません。

   と同時に、品格もありません。 

   いずれにしろ、共感しにくいキャラで、魅力もありません。

   そういった点で、サスペンスとしては、牽引力に欠ける作品だと思います。

 

   それに、小学校時代に、めぐみにさんざんいじめられた過去があり、それを忘れてはいないのに、積極的にめぐみに協力する真木の心理がまったく納得できません。

 

   ただ、主要な情報を小出しにしていくテクニックは、ミステリーとしてはじゅうぶん合格点だと思います。

 

   それでも真犯人が誰か、読んでいるうちに見当がついてしまうと思いますが。