すごく懐かしい!!というほど古くはないですが、やっぱり懐かしいです。

    

    佐々木倫子さんの「Heaven?」(小学館文庫)

    

    フレンチレストランで働いていた青年、伊賀観はある日、黒須仮名子という謎の女に出会い、スカウトされます。彼女のレストラン観にひかれ、その店「ロワン・ディシー」で働くことにした伊賀。

    ところが、ロワン・ディシーに行ってみるとそこは墓地と牡丹畑の真ん中。おまけにその駅からも1キロ以上あるというアクセスの悪さ。

    しかも、フロア係りは、伊賀以外、全員、フレンチの経験なし。

    波乱の幕開けを予想させる展開でしたが、はたして開店日からトラブル続きで・・・・・・

 

 

    登場人物がほんとうに、みなおもしろく、いきいきと描かれています。

    

    店長の堤。牛丼屋に勤務した経験あり。ちまちまとした倹約術を持ち、経理マンとしては非常に優秀。元同僚から牛丼屋に戻るように勧められて、ぐらつくエピソードが印象的。

 

    ソムリエの山縣。元銀行員。フレンチ経験なし。資格オタク。老人であることを利用して、ちゃっかり伊賀に甘える場面も。

 

    コミドランの川合。元美容師見習い。非常に物覚えが悪く、什器をこわすこともしばしば。しかし、明るい性格で、女性ファンが多い。

 

    シェフの小澤。たいへんに優秀な料理人だが、彼が働く店は次々につぶれるという縁起の悪いシェフ。職人肌で、オーナーの黒須とぶつかることもしばしば。

 

    オーナーの黒須仮名子。気が強くて自己中な美人。その正体は謎だったが・・・・・・

 

    コメディですが、ラストは深い余韻を感じさせます。